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最新の更新 (2019/11/10)新規ページ作成 (2021/12/10)更新が追い付いてない more to come... 自己紹介 四球はいいぞ。選球眼◎粘り◎はいいぞ。コスパ悪すぎるからやめておいていいぞ。 twitter→@BBL79449742 選手紹介 10世代目までは特にショボいから見なくてもいいぞ。 BBL-1 運河梨雄 +... 嫁無し凹凸、メンタリスト Google検索で発見したBBLに登録。なんだかわからずにやったらよく見る残念な第一世代って感じの選手よりも残念な選手になった。 BBL-2 運河梨孝 +... 大卒黄持続早、メンタリスト 相変わらず残念な選手が誕生。同じタイプの選手だし弱い。 BBL-3 運河梨一 +... 桃持続 初めての投手。訳もわからずにやった結果ちょっとマシな選手になる。初めて丈夫なカラダ取ったおかげだな。 BBL-4 運河梨直 +... 桃持続 質コン特化。得能の組み合わせをみても弱いが、積極鍛錬の正しい使い方を知るという点で意義深い世代。マネーボールキッズだったからチャド・ブラッドフォードをイメージしたらしい。 BBL-5 西川遥輝 +... 家系初タイトルを獲得(200年度最高出塁率)。ミ走型でほんの少しだけ育成を掴んだ。 BBL-6 ティム・ハドソン +... ノーヒットノーランを達成した。最多勝も取ったりしてたがちょっと運が良かっただけの話。でもじぞじぞ努力Gで作ったにしては上出来ではないだろうか。球速はそこまでないがコントロールがあれば新環境では三振が取れること、球質がないとホームランが多くなり防御率にかなりの悪影響を与えることがわかった。なおこれは全く生かされていない模様。 BBL-7 みかん坊や +... ベストナインとか打点王とか取ったけど「みかん坊や」の名にはそぐわない選手。ちょっと物足りない。 ついでに書いておこう。みかん坊やとは、日本のeスポーツプレイヤーで、Supercell社のゲーム「クラッシュロワイヤル」のトップランカーだ。サービス開始当初からプレイしており、いつの時代も何かしらの環境デッキを自作、リリースから2年後に始まった競技シーンの最初期にはアジアで並び立つ者がいない無双状態を披露した。YouTubeで動画投稿も行っており時折暴言を交えた分かりやすく落ち着いた解説で人気となっている。動画投稿の頻度が落ちがち。 BBL-8 運河梨雲 +... コンビプレー 。SSは...うん。でも結構いい選手なのでは。 BBL-9 フチ +... 一番好きなクラロワプレイヤーであるフチさんを選手にしたら普通早を引いたし、精神に振るつもりだったところで時間がなく変化に振ったので大したことのない選手になった。 BBL-10 近本光司 +... 推しを再現してみた。盗塁王八回はリアルの近本選手にもやってのけてもらいたいところ。100本塁打したかったが仕方ない。 BBL-11 運河陽良 +... 3万年ぶりの二強は凹凸。ガバが大量にあったが四年連続の最優秀防御率を獲るなど成績面では満足できる結果となった。この世代を叩き台にしてもっと凄い選手を作りたい。 製作者名鑑に戻る 名前 コメント
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ウサギのナミダ・番外編 黒兎と塔の騎士 後編 ◆ 鳴滝修平の夢は、格闘技を極めることだった。 世界最強なんて見果てぬ夢だが、そう自負できるほどに強くなりたかった。 志したのは小学校に入学する時分のことだから、随分前の話だ。 鳴滝少年は、数ある格闘技の中から、中国拳法を選択した。 近所に道場があったからだ。 鳴滝少年は熱心な入門生だった。 拳法を身につけるのも面白かったし、強くなることが実感できた。 それは中学生、高校生になっても変わらなかった。 実際、強くなったと感じられたのは、喧嘩の時だった。 格闘技をやってるだけで、何かとやっかいごとに巻き込まれる。 殴り合いの喧嘩をしたが、拳法の技は使わなかった。 師匠から私闘での使用を禁じられていたからだ。 だが、使わなくても負けることはなかった。 いつか、思うさま技を使うことがあるだろうか。 そう思いながら、日々練習に励んでいた。 その生活が一変したのは高校三年生の時。 交通事故にあった。 自転車に乗っていたところで、車にはねられた。 命に別状はなかったが、自転車と左の膝が壊れた。 入院生活の後の、長いリハビリのおかげで、なんとか日常生活は不自由なくできるようになった。 でも、激しい運動はできなくなった。 格闘技なんてもってのほか。左膝は弱点ですらある。 今も道場には行っているが、それは自分を守ることに備えるためであり、以前のような前向きな気持ちではなかった。 だから、リハビリ明けの直後は、荒れた。 つっかかってくる不良やヤンキーを、片っ端から倒して回った。 自分の強さを確認するための幼稚な手段、だった。 そんな意味のない喧嘩に飽きた頃。 鳴滝は武装神姫に出会った。 はじめはくだらない人形遊びだと思った。 だが、ある戦いを見て考えが変わる。 それは、銀髪の神姫と、青色の鎧騎士の対決だった。 剣による近接格闘戦。 その動きは人間を超越し、神業の域に達している。 鳴滝はふと思う。 このなんでもありの戦闘領域で、格闘技はどれほどの力を持ちうるのだろうか。 格闘技だけでどこまで上が目指せるのか。 そんな思いつきが、鳴滝の次なる夢になった。 騎士型サイフォス・タイプを購入し、ランティスと名付けた。 そして、格闘技の修練をさせた。 実際のところ、徒手空拳で戦場に立つのは、非常に厳しかった。 はじめはろくに勝てなかった。 だが、鳴滝はあきらめることを知らず、ランティスは鳴滝の夢を愚直に追い続けた。 やがて、自分たち流の戦い方を見い出す。 そしていまや、『塔』でランティスにかなう神姫はいない。 鳴滝はランティスに感謝している。 鳴滝の夢はかないつつあるのだから。 ◆ 手甲から飛び散る紫電の向こう。 正面に立つ神姫の姿を認めて、ランティスは愕然とした。 「貴様……どうして……」 ティアは雷迅弾を放ったときそのままの姿で立っている。 ありえない。 超速の弾丸は、間違いなくティアが立つ場所を通過している。 なぜあの黒い神姫は五体満足で立っていられるのか。 「どうして、どうしてそこに立っていられるっ!?」 ランティスの叫びに、ティアは困ったような視線を向けるばかりだった。 ◆ ランティスと鳴滝の様子に、観客たちもどよめき出す。 シスターズの四人と安藤も、首を傾げていた。 彼らは皆、ティアが何をしたのか、全く見えていなかった。 安藤は、シャツの胸ポケットにいる、彼の神姫オルフェに尋ねた。 「オルフェ……ティアが何したか、見えたか?」 「見えました……けど……」 人間では追いきれなかった動きも、神姫の目では捉えられたらしい。 だが、オルフェは釈然としない表情で首を傾げていた。 「ティアは何をした?」 「何をしたというか……特別なことは何も」 「え?」 「ただ普通に……いつものようにステップでかわしただけです」 「は?」 安藤はオルフェの言っていることがすぐには理解できなかった。 そこへ銀髪の神姫が口を挟む。 「マスター安藤。確かに今のティアの動きは、半円を描く普通のステップでした。 ……ですが、ティアは、出来うる限り最速かつ最小半径でのステップで、雷迅弾を回避したのです」 「最小半径って……」 安藤には想像もつかない。 つまり、超音速で飛来する球体を、紙一重で見切ってかわした、ということでいいのだろうか。 「……っていうか、雪華は何で俺のこと知ってるんだ?」 「ティアと同じチームの神姫とマスターの情報は調べ上げてあります」 さも当然といわんばかりの雪華であった。 □ ギャラリーがどよめく中、俺はむしろ不思議な気持ちでいた。 別に何も特別な技を使ったわけじゃない。 その証拠に、俺からティアへの指示はたった一言、 「ステップでかわせ」 だった。 ティアはそれを忠実に実行しただけだ。 確かに最近、ティアには近接戦用にステップを練習させていたが……。 「遠野……今のはなんて技だ……?」 大城も呆けたように俺に聞く。 まわりを見ると、みんな俺に注目していた。 俺は小さくため息をつく。 「名前を付けるほどのことじゃないんだが……そうだな、『ファントム・ステップ』とでも名付けようか」 「ファントム・ステップ……」 うめくように鳴滝が言う。 俺は頷いた。 「そう。だが、ファントム・ステップは単発の技じゃない。連続でやると……こうなる」 バトルロンド筐体の画面の中。 ランティスがティアに向かって突進していくところだった。 ■ 「たった一発かわせたからって……いい気になるな!!」 ランティスさんが叫びながらわたしに向かって突っ込んでくる。 どうすればいい? 間合いを取ってかわすのは簡単だけれど。 そう思ったとき、マスターから指示が来た。 『ティア、練習してたあのステップですべてかわせ』 「はい」 『隙あらば反撃だ。練習の成果、見せてやれ』 「はいっ!」 やっぱり、あのステップ……ファントム・ステップと名付けられたのは後で知った……を試すために、この試合は銃器がセッティングされなかったんだ。 ファントム・ステップは、わたしが最近集中的に練習していた技。 わたしが近接格闘戦をするようになってから、マスターが必要だと言って、練習するようになった。 できるだけ素早く、できるだけ相手から離れずに、ステップでかわす。 それが基本。 ランティスさんが両手を顎につけた体勢で踏み込んでくる。 間合い。 左右のパンチから左脚のハイキック。 流れるように淀みのないコンビネーション。 わたしは後ろに下がるステップで、左右のパンチをかわし、半円のターンでキックをはずす。 ステップは全部、攻撃に対して一定の距離。 空を切るハイキックが風を巻き、わたしの前髪を揺らす。 わたしはランティスさんを見た。 大きな動作の後なのに、もう隙をつぶして構え、攻撃態勢に入っている。 反撃の暇はない。 ランティスさんは躊躇なく踏み込んできた。 今度はさらに深く。 腰だめの右拳を斜め上に突き上げるようなアッパーカット。 それも半円のターンでかわす。 すると今度は、踏み込みながら、左腕で細かいパンチを三発放ってきた。 だけどそれは、三発とも同じ距離。 それをかわすと、また踏み込んで、右のパンチを二、三発。 わたしは右左と順番に放たれるパンチを、ジグザグのステップでかわしていく。 かわすたびに、ランティスさんの表情が険しくなっていく。 ◆ ランティスはティアに向かって膝蹴りを繰り出した。 これもかわされる。 だが、これは誘い。 上げた右膝を降ろさず、空手の側方蹴りに移行する。 突然間合いは伸びる。どうだ。 だがそれも、半円のターンでかわされる。 「くっ……!」 ばかな。 こんなことはありえない。 ランティスはこれでも考えながら攻撃をしている。 技のスピード、キレ、間合いの変化、技の変化。 もちろんフェイントも交えている。 だが、そのことごとくをかわされる。 しかも一定の間合いで。 ティアは必ず踏み込みが届く間合いで、自分の正面にいるのだ。 当たるはずの攻撃が当たらない。 あるはずの手応えがない。 まるで亡霊を相手にしているようだ。 「お、おおおおおぉっ!!」 ランティスは吠えた。 左右のハイキックを順に放ち、さらに振り上げた左脚を上から落とす、かかと落とし。 それも、なめらかなS字のターンが命中を許さない。 だがランティスは止まらない。止められない。 今度は降ろした左脚を支点に、旋風のようなミドルキックを放つ。 攻撃範囲の広さは、ランティスの持つ蹴り技でも随一だ。 しかし、それもかわされる。なんと、ランティスが振るうつま先を、ターンで回り込むようにして回避した。 ランティスはさらに蹴る。同じ方向から、跳ねるように、リズミカルに、旋風のような蹴りを。 しかし、当たらない。 黒兎の神姫は、目の前を、亡霊のように舞い続けている。 「く、くそおおおぉぉっ!!」 自分の身につけた技のすべてが、たった一つの技に否定される! 技を一つかわされるたび、心が絶望に浸食されていく。 ランティスは心を削るような思いで攻撃を続ける。 ◆ 「すごい……」 安藤は思わずつぶやいていた。 ランティスの息もつかせぬ連続技。 そこにはあらゆる格闘技の技が詰め込まれていた。 キックボクシングのコンビネーション、ボクシングのパンチに、ムエタイ、空手の蹴り技。 かかと落としはテコンドーの動きだったし、今見えるダンスのような回し蹴りは、たぶんカポエラだ。 格闘技をちょっと知る程度の安藤にさえ、ランティスの技の多彩さがわかる。 だが、それ以上にティアがすごい。 ランティスのあらゆる技は、タイミングもスピードもリーチもすべて違っている。 だが、ティアはそのことごとくを紙一重でかわし続けているのだ。 しかも、ただ一つの技……ステップで。 その様は、まるでパートナーとダンスをしているかのようだった。 「ちょっと、涼子? 大丈夫?」 美緒が小さな声を上げた。 見れば、涼子が頭を押さえながら、大型ディスプレイに見入っていた。 顔色は真っ青だ。 「すごい、なんてもんじゃ……」 涼子は、震える声で、言った。 「ティア……かわしながら、誘導して……塔の外周を回ってる……」 「な……」 安藤はすばやく大型ディスプレイを見る。 ランティスの右上段蹴りが途中で変化し、下段蹴りになって、ティアのレッグパーツを狙う。空手の蹴り技。 しかし、つま先は、ティアのランドスピナーをかすめたのみだ。 そう、二人の攻防はずっと続いていて、途切れることがない。 周囲を壁に囲まれた塔の中で、移動しながらの攻防を続けるには、塔の外周を回るように移動するしかない。 そして、二人の神姫はそれを忠実に実行している。 移動の舵取りは、ランティスの前方にいて、かわし続けるティアがしているはずだった。 涼子は戦慄する。 神業なんてレベルじゃない。 ランティスの打撃は、どれ一つとっても、達人の域を越えている。 それを正面でかわしながら、行き先を誘導さえできるなんて。 武道をたしなむ涼子だからこそ、目の前のバトルが驚愕のレベルにあることを見抜いていた。 「でも、ティアはなんだってそんなことを……?」 「おそらくは、ランティスの技を引き出すためです」 素朴な疑問に答えたのは、全国チャンピオンのマスターだったので、安藤は少なからず驚いた。 だが、当の高村はそんなことを気にもかけず、気さくな様子だった。 「武装神姫にとって、技とは、マスターとの絆が生み出す力です。 マスターの想いをバトルで具現化するための技術……それが武装神姫の『技』なのです。 装備に頼らず、技を駆使して戦うという点において、あの二人はとてもよく似ています。 だからなのでしょう。ティアはランティスのすべての技を……つまり、マスターの想いと二人の絆のすべてを引きだし、受け止めようとしているんですよ」 安藤は高村の言葉に途方に暮れながら、また大型ディスプレイに目を移す。 ランティスが攻め、ティアがかわす。 その姿はダンスパーティーで踊るパートナー同士のようにも見える。 それほどに華麗で美しい動き。 「ランティスだけではありません。ティアもまた、技のすべてを出し尽くそうとしている……」 ◆ 気付いているだろうか? 雪華は、画面上のランティスを見つめ、思う。 ティアのファントム・ステップは、ただ一つの技、ではない。 ステップやターンを駆使して、近接距離を一定に保つ。それがファントム・ステップだ。 ティアはあらゆるステップ、あらゆるターンを駆使して、ファントム・ステップを成立させている。 ランティスが「格闘」を極めた神姫だとすれば、ティアは「滑走」に特化した神姫だ。 ファントム・ステップは、ティアがこれまで身につけてきた、膨大な「滑走」の技の上に成り立っている。 ランティスはそれに気付いているだろうか。 画面上の彼女の表情からは、苦悩と焦燥が見て取れる。 雪華はランティスが嫌いなのではない。愚直なまでにマスターの夢を追い求める姿は、好ましいとさえ思う。 だからこそ、彼女には気付いてほしい。 技同士のバトルに、神姫の出自など、関係がないことを。 「それにしても……」 雪華はつぶやき、ティアの姿を見つめる。 表情がほころぶのと同時、身震いする。 雪華と戦ったときよりもなお、彼女の技は冴えていた。 あのとき、雪華の『レクイエム』をかわしたあとの神懸かり的な機動が、すでにティアのベースラインの動きになっている。 ティアは確実に進化している。 それが嬉しい。 そして彼女に心からの尊敬を抱き、そしてまた戦ってみたいと、雪華に思わせるのだった。 ◆ 鳴滝は喜びに震えていた。 高村について、こんなゲームセンターまでやってきて正解だった。 秋葉原での戦いにうんざりしていたのは、ランティスだけではない。 マスターである鳴滝もまた、火力と物量でばかり挑んでくる対戦者たちに飽き飽きしていた。 だが、ティアは違った。 どんな神姫とも違う機動力で、彼女だけが持つ技を駆使してランティスと戦っている。 ランティスの技に、技で挑んでくる神姫がついに現れた。 そう、待っていた。ずっとこんな相手が現れるのを待ち望んでいた。 ランティス、今お前はどんな気持ちだ? どんな気持ちで戦っている? ……なんでそんなにつらそうな顔をしている。 こんな好敵手と出会えることは、俺たちのような輩にとっては最高のことじゃないか。 もっと喜べ。 そしてもっとバトルを楽しめ。 このバトルの先に、俺たちの見たかった地平が、きっと見えるだろう。 ◆ そんなマスターの想いとは裏腹に、絶望と焦りを顔に浮かべながら、ランティスはティアに打ち込み続けた。 しかし、どんな打撃も、どんなコンビネーションも、ことごとく回避されている。 『ランティス』 「師匠!」 彼女は鳴滝をマスターと呼ぶよりも、師匠と呼んだ方がしっくりくる、と思っている。 『なぜあれを出さない』 「……ですが、この娼婦の神姫に、あの技を出すほどでは……!」 『出すほどだ。現にお前の打撃は、一発もティアに当たってないぞ?』 「……っ!」 『もう認めろ。ティアは同じステージに立つ資格のある好敵手だと。出し惜しみはするな。むしろ、すべてを見せつけてやれ』 「……」 ランティスは迷う。 師匠の言葉は理解できるが、「心」が納得しないのだ。 あの下賤な神姫に、師匠から直に教わった技を使うことにためらいがあった。 しかし、もはやランティスは覚悟を決めるしかなかった。 奥の手を出す覚悟を。 この試合、敗北は決して許されないのだから。 「ハアアアアアァァッ!!」 迷いを振り払うように、気合いを入れる。 そして、ティアに向けた一撃の踏み込み。 瞬間、何かが爆発したような音と共に、地が揺れた。 ■ ランティスさんが深く踏み込んでくる。 その脚が着地した瞬間、地響きが来た。 「わっ」 一瞬、地面が揺れる。 ランドスピナーが傾く。 横構えになっていたランティスさんが腰を落とし、両手の掌を彼女の両側に突き出した。 不安定な姿勢ではあったけど、わたしは間合いを大きめに取るようにランドスピナーを走らせ、からくもランティスさんの一撃をかわした。 彼女と対峙する。 そして、ぞっとした。 ランティスさんの立っている、その足元。 踏み込んだ場所がランティスさんの足形に窪み、地面に放射状のひびが入っている! いやな感じがする。 いまの掌打はからくもかわせたけれど、受けていたら、どんなことになっていただろう。 わたしに想像する間も与えず、ランティスさんがまた来た。 またしても低く、深い踏み込み。 今度はもっと深い。まるで、身体全体でぶつかってくるような……。 わたしの位置は壁際で、もうぎりぎりでかわす余裕はなかった。 ランティスさんを大きく回り込むように回避する。 正解だった。 小手先の技じゃなかった。 ランティスさんは踏み込んで背中を打ち付けようとしてきた! 背中で攻撃、なんて、聞いたこともない。 わたしが今いた場所を、ランティスさんの背中が通過して、そのまま塔の壁に激突する。 見間違いだと思う、でも。 ランティスさんの背中が当たった瞬間。 高い高い塔の壁が、一瞬、たわんだように見えた。 □ まるでミサイルが直撃したかのような爆発音。 ランティスを震源地に、短い地震が起きて、ディスプレイの映像を揺らす。 バーチャルで構成されたステージのカメラの位置は動かないはずだから、塔全体が揺れたのだ。 ランティスが姿勢を戻して、ティアと対峙する。 その背後。 いましがた、ランティスが背中を打ち付けた壁が、彼女の背中の形でクレーターになっている。 クレーターのすそ野から、大小のひび割れが大きく広がっていた。 そして。 その壁が粉々に砕け、大きく崩れ落ちた。 「八極拳か……これほどの破壊力とはな」 あの特徴的な、背中からの打撃に見覚えがある。確か『鉄山靠』とか言う技だ。 八極拳は中国拳法の一流派だ。 俺も詳しくは知らないが、震脚と呼ばれる強烈な踏み込みから生み出される破壊力が特徴だと聞いたことがある。 鳴滝が感心したように、俺に言う。 「よく知っているな。ランティスの八極拳は俺の直伝だ」 「君も拳法をやってるのか。なるほど、だから師匠、と呼ばれてるんだな」 「そうさ。……どうする、遠野。踏み込むたびに地面を揺らされて、ファントム・ステップを続けられるか?」 鳴滝は不敵に笑って、俺を挑発する。 だが、不愉快ではない。 鳴滝もこのバトルの駆け引きを楽しむために、俺を挑発している。それがわかる。 ならば一つ、俺も楽しんでみようか。 「試してみるがいい」 「ふふ……八極拳の技が単発だと思うなよ。連続でやると、こうなる」 鳴滝の言葉と同時、ランティスが再び前に出た。 完結編へ> Topに戻る>
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出会い&登校2 アンジェラスの視点 遅刻にならないように、軽く走り続ける私達。 先頭はクリナーレがランニング気分で走っている。 あの子は何でも楽しむような思考回路してるから少し羨ましい。 それに比べて私はいつも気苦労ばかりで疲れる一方。 今日だってそうです。 いきなりシャドー=アンジェラスが出てきたり、いきなり遅刻になりそうになったり…。 いやいや、こんなネガティブな気持ちじゃ高校生気分を味わえません! 何事にも前向きに考えなければいけない! 私がそう決意した時、クリナーレがちょうど十字路に差し掛かった。 その時だ。 ドンッ! 「ウワッ!?」 「……むぎゅ」 クリナーレが誰かとぶつかりました。 あーもう、前方不注意ですよ。 「これで相手がパンを口に銜えていて、尻餅をついてドライがウッカリ相手のパンツを見てしまったら、まるでラブコメみたいね♪」 シャドーが何処かの漫画にでてきそうなシチュエーションを言う。 ていうか、そのシチュエーションは古くない? それにラブコメなのかなぁ? 更に言えば百合になっちゃうよ、クリナーレは女の子だし、相手の声からして女の子だし。 …今思えばなんで武装神姫には男性がいないのでしょうか? って、そんな事を考えてる場合じゃありません! 倒れた女の子を大丈夫かな! 「大丈夫ですか!?」 私は女の子に近づき喋る。 ぶつかってしまった女の子はクリナーレと同じ悪魔型ストラーフ。 白黒のブレザーを着ていて無表情。 「……痛かった」 そう言いながら立ち上がるストラーフ。 …あれ? 何処かで会った事があるような気がする。 「大丈夫ですか? アイゼン」 「そちらの方も、お怪我はありませんか?」 他の人も居たみたい。 犬型ハウリンと砲台型フォートブラッグでした。 彼女達は青色のブレザーを着ていてストラーフに対して心配そうに接する。 それに思い出しました、アイゼンは前にバトルした事がある神姫でした。 バトルは残念ながら途中で私は気を失ってしまい、気がついたら負けていました。 「あなたは確か…アンジェラスでしたっけ?」 「あ、え~と、サラ…ですよね。こんにちは。七瀬都さんの妹の神姫ですよね?」 「一応そうです。あなたとは少ししか会っていませんが」 砲子のサラ。 前回の企画でバトル参加した神姫。 あの時のバトルでは顔しか会わせていませんでしたが、サラは私の事を覚えてくれてたみたいです。 なんだか少し嬉しいです。 「ところでサラ、アイゼンと犬型ハウリンは誰ですか?初めて会うお方だと思うのですが」 私が視線を変えながら言うとサラは察してくれたのかニッコリ笑って答えてくれた。 「紹介します。こちらのストラーフはアイゼン、あとその犬型はそのまんま犬子ですね」 サラが私達に二人を紹介していく。 こちらも紹介した方がいいのかな? 「お願いします。正直ハルナから何も知らされていないのですよ。…まったく、ハルナもハルナです。いきなり都にわたしごと強制連行されて、その挙句がこんな状況ですし…帰ったらシュールストロミングの刑ですね」 「シュールストロミングの刑…ですか…。あ、では今度はこちらから紹介していきますね」 私は軽くクリナーレから順に紹介していった。 …。 ……。 ………。 そして最後のシャドー=アンジェラスの順番になって紹介に困った。 彼女あまりにも危険な存在。 どー皆に説明したらよいのでしょうか? 「アタシ自ら紹介するよ♪コッホン…どーもこんにちは♪♪アタシはもう一人のアンジェラス、シャドー=アンジェラスでーす♪アンジェラスという名前が二人いるからシャドーって呼んで」 バシン! 突如と響く拳を受け止める音。 シャドーの自己紹介中にアイゼンが左ストレートパンチをはなったのだ。 それを軽やかに受け止めるシャドー。 アイゼンの無表情が少しだけ変化し怒ってるように見える。 「お久しぶり~、アイゼンちゃん♪会えて嬉しいわ♪♪」 「……来るんじゃなかった」 場の空気が…険悪なムードなっていく。 このままでは駄目です。 折角の上機嫌のシャドーが不機嫌にでもなったらヤバイ。 この場に居る全員を惨殺しかねないですし、ここは私が張り込んで! 「あ~ん♪本当に可愛い♪♪抱きついちゃお♪♪♪」 「……むぎゅっ!?」 素早くアイゼンの後ろに回り込み抱き着くシャドー。 あ、あれ? 不機嫌にならない? というか…アイゼンに抱き着き、いい子いい子しながら頭を撫でています。 アイゼンも怒っていた表情から無表情になっています。 困った顔はしないのですね。 「アイゼン可愛いよアイゼン」 「……邪魔、……すごく邪魔……」 何処かで聞いた事があるセリフを言うシャドー。 とりあえず、ジャレついてるのなら大丈夫そうですね。 …アイゼンにはかなりお気の毒ですけど。 ごめんないさい、アイゼン。 「う~ん…」 「な、なんでしょうか?」 クリナーレが腕組しながら犬子さんを凝視する。 それに対して犬子さんはなにやら困り顔。 「ボクさぁ、前から思ってる事があるんだけどー」 「はい?」 「犬型と猫型はどうして尻尾を随時装備していないのかなぁ~と思うだよね」 そう言いながらクリナーレは犬子さんのスカートを捲くりあげる。 ちょっ、なにやっちゃってくれてるのよクリナーレ! 「ハワワワワッ!?」 いきなりスカートを捲り上げられた事によって犬子さんが驚愕する。 そりゃそうですよ。 誰だってあんな恥ずかしい事をされたらビックリしますよ。 ていうか止めなさい! 私がクリナーレを止めようとした瞬間。 「姉さんの馬鹿!」 「タワバッ!?」 クリナーレの妹、パルカが右踵落しをかました。 命中と同時にメリッという鈍い音が聞こえ、脳天を直撃した事によって地面に倒れ悶絶するクリナーレ。 それからパルカは踵落しをした後、捲くられたスカートを丁寧に戻し犬子さんに頭を下げる。 …たまに思うのだけれど、ときどきパルカの事が怖くなる。 いつもは怯えてるというか、ビクビクしてるけど非常時になる行動が大胆になりますね。 特に姉のクリナーレに対する行動が。 「パルカはあぁ見えてもヘタレのくせに度胸がありますから」 「…それ、矛盾してない?」 「それとお姉様、言いづらい事が一件あるのですが…」 「うん?何??」 「学校…遅刻しますわよ」 「…アアアアァァァァーーーー!?!?」 私が叫んだ事によって、皆が私を注目する。 私はすっかり忘れてた事をルーナに言われて思い出したのだ。 学校のことを…。 慌てて腕時計を見ると時刻は八時半過ぎになっていた。 「ヤバイ!みんな、談笑してる暇はないよ!!全速力で学校まで走りますよ!!!」 「因みに学校の方角はあっちよ♪」 私とシャドーが皆さんに伝えると一目散に学校へと走る。 「アイゼン、どっちが学校に先に着くかボクと勝負しろ!」 「……ん」 「ウッシャー!負けないぞ!!」 「……!!」 アイゼンとクリナーレは学校まで競走するみたい。 まったく、少しは遅刻の心配してよね。 「制服で走ると汗が出るからイヤですね」 「別に私は気にしませんけどね。…あぁ。そういえばハルナが気にしてましたっけ。夏場は胸が蒸れるとか」 ルーナとサラは仲良く喋りながら走る。 にしてもちょっと内容が生々しいよ。 汗とかさぁ…もっと女の子らしい会話をしてください。 「パルカさん、よろしくお願いいたします」 「あ、はい、パルカです!よろしくお願いします!!先程は姉さんが失礼な事をしてしまい申し訳ありません」 「いえいえ、気にしないでください。少し驚いたぐらいですから」 パルカと犬子さん達は普通に挨拶しながら走ってるから大丈夫でしょう。 うん、これが普通。 普通の会話だよね。 ルーナがおかしいのよ。 いきなり汗の話しをするなんておかしい。 サラに迷惑だと思わないのかな? 「迷惑だと思ってないんじゃないの♪」 空中を飛びながら私に言うシャドー。 本来なら筺体のプログラムによって飛べないはずなのですけれど、シャドーがプログラムを書き換えた事によって飛行を可能した、こんな所かな。 大方、シャドーの周辺だけ重力数値を変えて飛べるようにしたんでしょう。 ていうか、勝手に人の思考を読まないでよね! いくら同じ存在だからって、これではプライバシーもへったくれもない。 少しは自重しろって言いたい。 「飛んでるとパンツが見えるよ」 「見せたって減るもんじゃないしぃ♪アタシ達は素体なんだからパンツなんかはいてないじゃん、今はスカートをはいてるけど♪♪」 「羞恥心というものが無いの?」 「一応あるけど別にいいじゃん♪女の子達しかいないんだから♪♪」 「あーもう!私と同じ身体なんだから、私が恥ずかしいの!!ご主人様や他のオーナー達からも見られているのよ!!!」 「イィーじゃ♪マスターは見れて嬉しいし、他のオーナー達もアタシの魅力にメロメロ♪♪パンチラでポイントゲットよ♪♪♪」 「何がポイントゲットよ!ポイントなんか無いし!!と、とにかく降りなさい!!!でないと、無理矢理に私もネット能力を使って貴女を落としますよ!!!!」 「お~怖い怖い♪そういえば『私』は『アタシ』だもんね♪♪同じ能力が使えるの道理。分かったよ、降りるわ♪♪♪」 私が注意してるにも関わらずニコニコしてるシャドー。 本当はネット能力をシャドー並には使用出来ませんが、重力数値ぐらいのプログラムなら書き換え変える事ができます。 もしシャドーが降りて来なかったら即座に重力数値を書き換えて、地上に叩き落としてましたよ。 ズカーン、とね。 「酷い扱い。同じアインなのにね♪」 「だ・か・ら!私の思考を読まないで!!」 私は怒りながら地上に下りたシャドーの右手を掴み引っ張りながら走る。 シャドーと喋りながら走ってしまったせいで、他の皆より出遅れてしまい随分と差がひらいてしまっています。 …あぁ~あ、無事に遅刻せず学校にたどり着く事ができるのかな。 こんなにも先行き不安だらけで学校に向かう私は何処の世界を探しても…私だけじゃないのだろうか。 …。 ……。 ………。 一方、その一部始終を見ていたオーナー達は。 「「「「…………」」」」 沈黙を守っていた。 特に話す事も無く、ただ自分達の武装神姫が学生生活を見守るだけ。 けど一つだけ四人のオーナー達は一致した思いがあった。 それは…。 「「「「気・マ・ズ・イ・!(心の叫び的な感じに)」」」」 ただそれだけである。 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」
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ウサギのナミダ・番外編 少女と神姫と初恋と その2 ◆ 美緒は不安で沈んだ気持ちのまま、待ち合わせのM駅に降りたった。 彼と最寄り駅で待ち合わせ。 彼の家に初めてのお呼ばれ。……理由が何であっても。 心の準備が整う間もなく、放課後はやってきて、あわただしく下校して、家で大急ぎで私服に着替え、最速で身支度を整えて、パティと神姫の装備とメンテナンス用具が入っているカバンをひっつかみ、そのまま自宅を飛び出した。 肩まで掛かる髪を撫でつけながら、思う。 もっと気の利いたおしゃれができるように、なっていればよかった。 梨々香の言うことをもっと聞いていれば、こんなときに困ることもなかっただろうか。 美緒は正直に言って、おしゃれが苦手だった。 きれいな容姿や可愛い格好には、人並みに興味はある。 だが、ファッション誌に載っているような服やアクセサリーが自分に似合うとは、どうしても思えない。 その原因は、自分の身体にあると、美緒は思っている。 やはり、少し太っているから、あんなモデルのように細身の人が似合うような服は、わたしは着られないのだ。 そう思いこんでいる。 梨々香は「そんなことないよ!」と力説するが、それは親友に対する気遣い、あるいはお世辞というものだろう。 そんな思いこみの結果、美緒は何とも無難で地味な服しか持っていないのだった。 こんなおしゃれの欠片もない、地味な女の子を、安藤はどう思うだろうか。 それが不安で仕方がない美緒だった。 改札を出て、左手の出口に向かう。 「おーい、八重樫!」 安藤はもうそこにいた。手を振っている。もう逃げられない。 美緒はもう、不安でどうにも爆発しそうだった。 ◆ 「それじゃ、行くか。今日は頼むな」 「うん……」 安藤は笑っている。 美緒の私服姿を気にもとめていないように、いつもどおりに。 美緒はほっとするのと同時、なんだか不満だった。 安藤ももちろん私服姿である。シャツにジーパン、スニーカーというシンプルな格好だが、異様にかっこいい。 彼の背を見ながらついていくだけでドキドキが止まらない。 なのに、彼は、美緒の姿を見てもいたって普通だ。 もちろん、自分に魅力がないのは分かっているけれど……。 不公平だ、と美緒は思う。 わたしばっかりドキドキしたり不安になったりで、彼はちっとも普段の様子を崩そうともしない。 その原因が、自分のあか抜けなさにあることは百も承知なのだけれど。 ……もし、自分がもっときれいでおしゃれな女の子だったら、彼と一緒に歩いても、釣り合いが取れるだろうか。彼も少しくらいドキドキするのだろうか。 美緒は歩きながら、そんなことを悶々と考えていた。 駅から一〇分ほど歩いた住宅街の中に、安藤の家はあった。 安藤の招きに応じ、門構えをくぐって玄関に入る。 「ただいまー」 「お……おじゃまします……」 美緒が挨拶を言い終えるより早く、 「お、おかえり」 ハスキーな女性の声が聞こえた。 玄関から奥へと続く廊下に、長身の派手な女性が立っていた。 髪はカールをかけたロングヘア、軽く化粧をしているだけのようなのに、目鼻立ちがとても派手である。 細身の長身はプロポーション抜群。肩をむき出しにしたスパンコールをちりばめたトップスが、異様に似合っている上に、目のやり場に困るほどセクシーだった。 「姉貴……いたのかよ」 「いちゃ悪いのかい、弟」 (お姉さん!?) 不機嫌そうな姉弟のやりとりの脇で、美緒は驚愕した。 安藤に姉がいるのは知らなかったし、たとえ知っていたとしても、予想とは全然違っているように思う。 あのさわやか系で通っている安藤の姉が、ギャル系ファッション誌のトップモデルみたいな女性だと誰が思うだろうか。 安藤姉は二人をじろりと睨む。 「姉のいぬ間に女を連れ込もうってか……まったく、浅はかだねぇ」 「姉貴っ! オレの客の前で失礼なこと言うな! 八重樫には、オレから頼んできてもらったんだ」 「はぁん? オマエに女を連れ込む度胸があるとは思っちゃいないが、どういう用件だい」 怒り出した安藤に対し、姉の方はニヤニヤと笑いながら余裕の表情である。 美緒は誤解を解こうと口を挟んだ。 「あ、あの……安藤くんに、神姫のことで教えてほしいことがあるって、相談されて、それで……」 「神姫ィ?」 呆れたような声で言った安藤姉は、前屈みになって、美緒の前に顔を突き出した。 近すぎる派手な美人顔に、思わず後ずさる。 ふーむ、と五秒ほど顔を値踏みするように眺められた。 そして、 「弟、お茶用意しな。彼女はアタシがアンタの部屋に案内しとく」 「なんでオレが……」 「文句言うな! いいからさっさとやる!」 安藤は頭を掻きながら、不満顔のまま玄関を上がった。 「八重樫、とりあえず上がって……姉貴についてってくれ」 美緒にそう言うと、廊下の奥のキッチンに足を向けた。 どうも姉の命令には逆らえないらしい。 美緒はもう一度、おじゃまします、と言って靴を脱いだ。 安藤宅に上がり、改めて安藤姉を見る。 不敵に笑う彼女の存在感に圧倒される。 初対面のはずなのだが、なぜか美緒には、その不敵な笑顔に見覚えがあった。 弟の背がキッチンに消えると、不意に安藤姉の雰囲気が柔らかくなった。 「そんじゃ、ついてきて」 「あ、はい」 姉の先導で、右手にあった階段を上る。 意外なことに、安藤姉の方から美緒に話しかけてきた。 「ヤエガシちゃんも神姫やるんだ?」 「はい……あんまり強くないですけど」 「ああ、バトロンもやってんのね。アタシも少しはやるけど」 「え? お姉さんも……神姫のオーナーなんですか?」 「そうだよ。……ヴィオ、挨拶して」 そう言うと、長い縮れ髪の間から、薄紫のパールカラーのバッフェバニー・タイプが顔を出した。 メイクされた顔立ちは妖艶で、その雰囲気もどこかオーナーに似ている。 「ヴィオレットです。よろしく、ヤエガシさん」 「よろしく……って」 その神姫の名を聞いて、ひらめくものがある。 そう、バッフェバニーのヴィオレットと言えば…… 「もしかして……お姉さんは、Tomomiですか!?」 「あれ、知ってるんだ。そりゃ光栄」 驚愕している美緒に、安藤姉はこともなげに肯定した。 知っているどころではない。 女性の神姫オーナーで、Tomomiの名を知らぬ者はないだろう。 それどころか、美緒と同じ年頃の女の子なら、大半は知っているはずだ。 Tomomiは女性たちの憧れ、カリスマモデルである。 女性向けのファッション誌での活躍はもちろんであるが、彼女には他のモデルにない特徴があった。 神姫を連れていることである。 彼女の神姫・ヴィオレットもまたモデルである。 時にヴィオレットは、Tomomiを飾るワンポイントであり、時にTomomiとお揃いの服を着こなす。 その様子が、新しもの好きの少女たちに受けた。 Tomomiの影響で、おしゃれのパートナーとして神姫のオーナーになった女の子は、決して少なくないだろう。 そんなTomomiとヴィオレットを、神姫業界の方でも放って置くはずがない。 いまや神姫専門誌やら神姫の情報サイトやらでもひっぱりだこだ。 Tomomiとヴィオレットは、非武装派の神姫オーナーたちのカリスマにもなっている。 そんなTomomiが安藤のお姉さんだったなんて……美緒にしてみれば、思いも寄らぬ展開に驚愕するばかりだった。 ふと、美緒は疑問に思う。 お姉さんが神姫オーナーならば、神姫のことを少なくともそれなりに知っているはずではないか? 「あの……Tomomiさんは、神姫に詳しいですよね?」 「うん? まあ初心者に毛が生えた程度のもんだけど」 「だったら、安藤くんは、神姫のことをお姉さんに聞けばいいのでは……?」 「ヤツはアタシのこと毛嫌いしてっからさぁ。 ……あ、ここね」 Tomomiは無造作に、その部屋の扉を開けた。 美緒の目に映るのは、きれいに片づいた、あまり飾り気のない部屋だった。 あまり広くない部屋に、ベッド、机、キャビネット、本棚が機能的に配置されている。 ポスターなどの装飾は見られない。 そんな中、机の上に置かれた武装神姫のパッケージが異彩を放って見えた。 「それに、アタシは絶対教えないね。男だったら自分で神姫の立ち上げくらいやれっての」 美緒を部屋に入れると、安藤の姉はそう言ってからからと笑う。 そしてまた美緒に向き直り、 「まあ、智哉はそんな感じで、気が小さくて、全然頼りないヤツなんだけどさ。よろしく頼むよ」 そう言って派手なウィンクを美緒に寄越した。 美緒は目を白黒させながら、それでも考えている。 頼りないって……安藤くんが? 美緒にはとてもそうは思えなかったが、とりあえず、こくりと頷くしかなかった。 「それと、もし智哉に襲われそうになったら、大声で助けを呼びな。アタシがヤツをぶっちめてやっから」 そう言って不敵な笑みを浮かべた。 その表情が、彼女の派手な顔立ちに異様なまでに似合っていた。 美緒が驚くばかりで固まっていると、 「こら姉貴! 八重樫に何吹き込んでるんだ!」 安藤がお盆を抱えたまま、横合いから姉をどついた。 「神姫オーナー同士、友好を深めてたんだよ。オーナーじゃないオマエには関係ないだろ」 「つか、関係ないのは姉貴だろ! とっとと出てけ! それに、もうすぐオレもオーナーになるんだからな」 「へいへい」 安藤姉は、艶やかな笑顔で美緒に手を振ると、部屋から立ち去った。 安藤は深い深いため息をつきながら、部屋の扉を閉める。 「……姉貴が帰ってきてるとは不覚だった……」 がっくりとうなだれつつ、部屋の真ん中に置かれた小さなテーブルに、お盆を置く。 お盆の上には、コーヒーカップが二つ載っていた。 どうぞ、と差し出されたカップを素直に受け取る。 湯気の向こうの安藤は、まだうなだれていた。 そんなに姉が在宅だったことがショックなのだろうか。 「で、でも、お姉さんが、あのTomomiだなんて、全然知らなかった」 「学校じゃむしろ秘密にしてるぐらいなんだよ……あんなのが姉貴って、ありえないだろ」 「そ、そうかな……」 美緒も年頃の女の子なわけで、あのカリスマモデルが姉だなんてメリット以外には思いつかない。 安藤もようやく落ち着いたのか、深いため息を一つ吐くと、顔を上げて微笑んだ。 「まあ、あんなヤツのことはどうでもいいから……神姫のセットアップ、はじめようか」 美緒はその微笑にドキリ、と胸を高鳴らし、小さく頷いた。 ◆ 「……それで、ここに小さなチップを三つ、セットすればいいんだな?」 「そうそう。三つのチップの組み合わせで、その神姫の得意なこととか性格が決まるから、チップ選びは慎重にね」 アルトレーネのパッケージを開けた頃から、美緒の緊張も薄らいできていた。 安藤は素直で真面目な生徒だった。美緒の指示をよく聞き、滞りなく作業を進めていく。 「でも、気に入らなかったら、チップの配置をやり直せばいいんじゃないか?」 「うん……そうではあるんだけど」 美緒は眉根を寄せて表情を曇らせる。 「わたしはあんまり好きじゃない……チップの配置を変えると、その前に設定された『心』も消えてしまうの。人間の都合で、何度も何度も神姫の心を消してしまうのは、かわいそう」 「そっか……俺たちだって、誰かの都合で無理矢理性格変えられたりしたら、イヤだもんな」 「うん。だから、はじめに配置したCSCの設定を大事にしたいの」 「そうだな。オレもそうするよ」 安藤は三つのチップを慎重に選び出す。 「八重樫はやさしいな」 「えっ……!?」 視線を合わせずに呟く言葉は、まさに不意打ちだった。 やっと緊張がほどけてきたのに、また心臓が爆発しそうになる。 「そんなこと、ないよ……」 美緒が呟くいつもの言葉は少し震えている。 そう、神姫の心を大切にしたいなんて思うことは、普通、普通だ。 美緒はそう自分に言い聞かせながら、ドキドキが収まらない胸を手で押さえた。 (やだもう、どうしてそんなに、ずるいことばっかり言うのーーーーっつ!?) そのさわやかな顔立ちさえ、美緒には憎らしく思えてくる。 しかし、チップをCSCに慎重にはめ込むときに見せる、真剣な表情に、どうしても見とれてしまうのだった。 「よし、できた」 そんな複雑な乙女心を知るはずもなく、安藤は美緒の方に笑顔を向けた。 美緒は彼の顔をまともに見られず、やっぱりうつむいてしまう。 「そ、そしたら……クレイドルの上に載せて、PCに出てくるメッセージに従って進めればいいから」 「わかった」 安藤が神姫の胸部パーツを閉じ、ボディをクレイドルの上に載せる。 すると、PCが神姫との接続を認識、神姫管理用ソフトを自動的に立ち上げ、初期設定のセットアップに移行する。 いくつかのメッセージに対し、『はい』の解答を行う。 そして、 「武装神姫・アルトレーネ 初期登録モードで起動します」 神姫の口から出た言葉に、安藤は少し動揺した。 その安藤の目の前で、神姫はぱちりと目を見開く。 大きな瞳に、安藤の顔が映っている。 「ユーザーの登録と認証を行います。ユーザーの名前を音声で入力してください」 安藤が振り向き、美緒に目配せしてきた。 美緒は大丈夫、と小さく頷いた。 「あ……安藤智哉」 安藤は少し緊張している。 誰でも初めての神姫の起動の時は緊張するものだ。 大きな期待とひとつまみの不安。 美緒も、パティを起動したときの緊張を思い出す。 「あんどうともや、様で登録しました。安藤様を何とお呼びすればよろしいですか? 音声で入力してください」 「……マスター」 このあたりの入力は、どの神姫でもそうかわらない。 入力項目について、あらかじめ決めておくように、美緒から言い含められていた。 「最後に、神姫の名前を音声で入力してください」 「オルフェ」 抑揚のない神姫の問いに、安藤は即答する。 神姫は黙り込み、空中を見つめているように見えた。 それも一瞬のこと。 「登録完了しました。 オルフェ、通常モードで再起動します」 事務的な口調のメッセージが流れた後、神姫は一度目を閉じ、全身から力を抜いた。 一瞬の後、再び顔を上げ、ぱちりと瞳を見開く。 そこに宿るのは、感情の色。先ほどの事務的で無機質な視線とは明らかに違って見える。 神姫は、安藤を見上げた。 視線が交わる。 安藤は少し驚いて、肩を震わせた。 そんな安藤に、彼の神姫はにっこりと笑いかける。 「はじめまして、マスター。今日からあなたの神姫になりました、オルフェです。これからよろしくお願いします!」 元気のいい、さわやかな声が響いた。 にっこりと笑うオルフェ。 「ああ、よろしく……よろしくな、オルフェ」 「はい!」 少し戸惑いつつも挨拶した安藤に、オルフェは明るく応えた。 美緒はほっとする。オルフェは明るく元気な性格のようだ。きっと安藤とうまくやれるだろう。 CSCの再設定を否定しておきながら、神姫の性格が良くなかったらどうしよう、と密かに心配していたのだった。 「……パティ」 「はい」 持ってきていたバッグから、美緒の神姫が顔を出した。 美緒はパティを手に取り、机の上に立たせる。 安藤は彼女をじっと見つめた。 「へえ、この子が八重樫の神姫かあ」 「あの、マスター。この方は……?」 オルフェにしてみれば、見るもの出会うものすべてが初めてだ。 彼女は美緒とパティを見比べながら、安藤に問う。 安藤はほほえみながらオルフェに説明した。 「彼女は八重樫美緒さん。オレのクラスメイトで……神姫のことをいろいろ教えてもらっている、先生だ」 「……よろしくね、オルフェ」 安藤にフルネームを(特に下の名前を!)呼ばれるのは、なんだかとても気恥ずかしい気がした。 美緒の挨拶に、オルフェは満面の笑みで応えた。 「それから、この子はわたしの神姫で、パトリシア」 「よろしくお願いします、オルフェさん」 礼儀正しくお辞儀をしたパトリシアに、オルフェも頭を下げた。 「こちらこそ。わたしは起動したばかりなので、いろいろ教えてくれると嬉しいです。パトリシアさん」 「もちろんです。……それから、わたしのことはパティと呼んでください」 「はい、パティさん」 二人の神姫はすぐに打ち解けたようだった。 オルフェの相手をパティに任せ、美緒は安藤に講義を続けた。 神姫の扱い方や、メンテナンスソフトの使い方、装備の使用方法や役に立つ情報サイトまで。 教えているうちに二人とも夢中になってしまい、気がつくととっぷりと日が暮れてしまっていた。 ◆ 「今日はありがとな。助かった」 「ううん。気にしないで」 駅での別れ際。美緒は微笑むことができた。ようやく安藤と二人で話すことにも慣れ、楽しいとさえ感じられるようになっていた。 安藤は、頭を掻きながら、ちょっと照れたような表情で言った。 「なあ……八重樫の……その……ケータイの番号とメアド、交換してくれないか」 「……え?」 「またいろいろ相談に乗ってほしいんだ。……神姫に詳しい姉貴があんなだろ? 周りに詳しいヤツもいなくてさ……だめかな?」 それは願ってもない話である。 安藤智哉の携帯番号とメールアドレスなんて、クラスメイト女子が一番ほしがっている個人情報だ。 それを彼の方から交換して欲しいと言ってきている。 美緒はすでに夢心地ですらあった。 夢遊病者のような手つきで、安藤に携帯端末を差し出す。 意識はふわふわと宙を漂っており、ことの成り行きを全く理解していなかった。 数分後、二つの携帯端末を操作し終えた安藤は、片方を美緒に差し出した。 美緒はまた夢遊病者の手つきで端末を受け取る。 安藤ははにかむように笑った。 美緒もつられて笑ったが、なんだか不自然に不気味な笑いになっていたような気がする。 安藤はそれを気にもしない。 「今度は、八重樫たちが行ってるゲーセンに連れてってくれないか?」 「え、ゲーセン?」 「そう。バトルロンド……オレもやってみようと思うんだ」 屈託なく言う安藤を美緒は見つめてしまう。 もちろん、美緒に断れるはずもないし、断る理由もない。 「うん。わたしでよければ、案内するわ」 「やった」 にっこりと笑うと、彼は身を翻した。 「それじゃあ、八重樫。また明日な!」 「うん、また明日」 彼の背に向かって、美緒は小さく手を振った。 美緒の胸はいまだドキドキが止まらない。 ◆ 夢のような怒濤の一日が過ぎてゆく。 美緒は自室のベッドに寝ころび、天井を見つめながら、今日あったことを振り返る。 安藤智哉は憧れだった。 あんな人が彼氏だったら、きっと素敵だろう、そう思って、遠くから見ていただけだった。 彼の素敵なところを見つけては思いを募らせても、決して手の届かない人だと思っていた。 それが今日一日で一変した。 いま美緒が手にしている携帯端末のアドレス帳、その一番最初に「安藤智哉」の名前が表示されている。 美緒はため息をつく。 これはなんという夢なのだろうか。 このまま安藤と仲良くなれば、親しい友達になれるだろうか。 ひょっとして恋人になんて、なれる可能性もあるだろうか。 軽く頭をふり、そんな妄想を打ち消す。 でも、せめて、今のわたしと陸戦トリオの遠野さんくらいには近い関係になることを望んでも、罰は当たらないと思う。 そんなことを考えていると、 「安藤さんは……美緒のことが好きなのではないですか?」 彼女の神姫・パティが大砲を放った。 美緒はその場で転げ回る。 がば、と上げた美緒の顔は、これ以上ないほど真っ赤だった。 「んなっ……何言っちゃってんの、パティ!?」 「美緒と一緒にいるときの安藤さん、とても楽しそうでしたし……憎からず思っているのではないかと」 「そんなこと……安藤くんがわたしを好きだなんて、天地がひっくり返ってもあり得ないわ」 そう、あり得ない。 その可能性を、賢い美緒が考えなかったと言えば、嘘になる。 だが、美緒はそれを自ら強く否定した。 彼と自分とでは、何もかも違いすぎるのだ。釣り合いが取れないし、なによりそんなことを考えること自体が厚かましい。 だが、パティは首を傾げる。 どうして自分のマスターは、こう自分を過小評価するのか、と。 神姫である彼女の贔屓目を差し引いても、美緒は美人であると思う。 もっと自信を持てばいいのに。 それに、気のない女の子をわざわざ自宅に呼んでまで、神姫の相談をするだろうか。 別れ際に連絡先の交換なんて、気になる相手でなければしないのではないか? パティは冷静に、そう分析していた。 マスターと神姫の思いは平行線をたどりつつ、夜は更けていった。 続く> Topに戻る>
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「……なんでお母さんがここにいるの?」 龍ノ宮大学武装神姫サークル主催バトルロイヤル大会当日 私とレイア…と、なぜかいるお母さんと桜さんはA教場の1スペースに集まっていた 「なんでって~桜から報告を受けたから是非とも愛娘の雄姿を見に行かないとなって~」 いやいや、ちょっと待ってよ こんな簡単に部外者を通してもいいの? 「大丈夫ですよお嬢様。理事長、龍ノ宮 吟璽朗氏に許可をいただいております。それに、この大学と鳳条院グループは電子機器、実験器材等の搬入の契約を結んでおりますので社長と私は関係者扱いなんですよ」 こ、細かい説明ありがとう桜さん… 「というか桜さん…お母さんに話したらこうなっちゃうんだから…」 「いえ、それは私も重々理解はしておりましたが…その…」 「………桜さん?」 「私もお嬢様と若様の雄姿となればぜひ拝見してみたく思いまして…;」 さ…さくらさぁん… 「それにしても…明人や香憐ちゃんたちは?」 いま私たちがいるのはボックス型のブーススペース 1スペースに4~5人くらい入れる個室仕様になっている 今大会では三つの教場を使いそれぞれの個室スペースからノート型パソコンを媒体にネット接続でのバーチャルバトルとなっているみたい ブースの場所はくじ引きでランダムだから兄さんたちがどこのボックスからログインしてくるかはわからない これはマスター同士が直接お互いの神姫の現在位置を知らせることはできないようにするための使用になっている 「つまり…一刻も早くノアちゃんたちと合流したほうがいいのよね?」 と、お母さんがレイアに問いかけた 「はい。近くまで行けば簡易ステータスのシグナルが表示されますので」 レイアがそうはいったものの…バトルステージが半端なく広いのでシグナルが表示される距離となるとすぐには見つからない 逆にいきなり集団からの袋叩きにあっちゃうことはなさそうなんだけどね 『参加者の皆様にお知らせします。開始まであと15分となりました。なお、今回の大会は公平性を保つため主催の神姫サークルに代わりまして我ら、プログラミング研究会がシステム全体を統括させていただきます。私はプログラミング研究会 会長、高町 つかさと申します。本日はよろしくお願いします』 「あ、高町先輩…」 「ん?はづちゃんのお知り合い?」 「うん、高町先輩は今居先輩の親友だから…」 今回の件、今居先輩は私を強制的に引き込むことに反対していた むしろ私のことを心配してくれてどうにかできないかと力になってくれていた いつの間にか今居先輩とは結構親しい仲になっていたようにも思う 先輩自身おとなしい人だから自慢なんかしたこともないけれど、データ解析、分析能力、状況判断は鷹千代ちゃんをファーストクラスにしただけのことはあると私は思う 今では私の尊敬する人の一人となっていた 「では御主人様、セットアップを…」 「うん、頑張ってねレイア!」 「…はい!」 さぁ、いよいよ始まる 相手は150もの大群 でも私たちは一人じゃないということがこれまでにも心強いのかと思い知らされる 昴兄さん、ランちゃん 香憐姉さん、孫市ちゃん アルティさん、ミュリエルちゃん 綾川さん、冥夜ちゃん 今井先輩、鷹千代ちゃん ノアちゃんにミコちゃんにユーナちゃん そして…兄さん 私とレイアに…力を貸して!! 『システムセットアップ。基本データアップロード。武装選択は登録済みのモノを使用、タイプ『α』。セットアップ68%完了…』 ご主人さまに「頼んだぞ」と言われ、媒体となるパソコンに接続したクレイドルで目をつぶった私はサポートシステムの声を聞きながら戦場に立つ準備を行っていた 「おまえは単独行動したとしても…まぁ素人ぐらいなら十人程度同時にさばける…どうだ?」 まぁ、できないこともないですけど… 結構しんどいんですからね? 「お前の力をそれだけ買ってるんだ。頼りにしてるんだよ」 またまた… そんな台詞で私をくすぐる… 「ノア…」 そんな目で見ないでください… そんな目で見られると、私が逆らえないって知ってるくせに… 目を閉じている間にも浮かんでは消えるあの人の顔 惚れてしまったものの弱みというか… ご主人さまに…その…魅かれているという自覚はあった けれど特に最近の私はおかしいのかも知れない 何故…何故なのだろうか… 「…さ……どの……大佐殿!!」 私の後頭部から聞こえた声にハッとなる 私はすでにセットアップを完了して湿地帯立っていた 「大佐殿、お気を確かに!?」 さっきから私を呼んでいたのは翠影だったようだ 「え、えぇ…ごめんなさい、大丈夫よ翠影…」 「大佐殿!…良かったであります…いかがなされましたか?」 「あ、いや…ちょっと考え事を…」 戦闘前に御主人様のことを考えていたなんて…いえな… 「へっ!旦那の事考えてて色ボケてたとかいうんじゃねぜぞ?」 あぐ!? 「何言ってるのよ黒陽…ノアにかぎってそんなこと…ねぇ蒼騎?」 うぐぐ… 「ふ、しかし白菊よ、もしそうであったら我が姫君も中々に御可愛らしいと思わんか?」 な…何も言い返せないぃ…… 「大佐!?お顔が赤い用ですが何故…」 「な、なんでもないわ!それより翠影、索敵はどうしたの!?」 「むうぉ!?了解(ヤー)であります大佐!!」 こうして私の戦いは湿地帯のフィールドから始まった 試合開始より00:12 現在脱落者000名 続く メインページへ このページの訪問者 -
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前へ 先頭ページへ 次へ 参加手続および第一次作戦会議 2036年*月*日1144時 ホビーショップエルゴ二階 入り口をくぐったときから妙な熱気が漂っているとマスター達は感じていたが、二階への階段を上がりきらないうちにその熱気の発生源を見つけて、思わず気圧されそうになった。 エルゴの二階はもともと武装神姫バトルスペース専門で、仕切りなどなく全体がひとつの空間である。イベント当日の今日は本来の筺体は脇にどけられ、一方の壁には二十台の特設コンソールルームが並び、さらにその上の壁にはギャラリーのための巨大なペーパーディスプレイが張られている。ゆうべほとんど徹夜でマスターたちが設営したものだから、コンソールルームの手前は広い空間があるはずだった。 その空間を、人が占めていた。数百人のギャラリーが、ほとんどすし詰めになっているのである。もちろんちゃんと椅子も用意してはいたのだが、まったく足らず、半分以上が立ち見であった。 純粋に史上初の大規模バーチャルバトルを楽しみに来た者、他企業の偵察としてきているようなピチッとしたスーツを着込んだ者、抽選にもれたため参加者に託して応援しに来た者、様々であるが、たぶん神姫のことをまったく知らない人々もいるだろう。これほどまでに話題性のあるイベントなのだとあらためて知って、マスターとケンは心が躍った。 「これは、凄いな」 「で、オレたちゃどこ行きゃアいいんだ?」 ケンがきょろきょろと見回す。なにしろすし詰めであるから道が無いのである。 と、彼らから見て一番奥、つまりもっとも窓側に近いところで声が上がった。 『大会参加者は窓側の集合場所に集まってください』 エルゴ店長、夏彦の声であった。 二人はそれぞれ所定の場所(コートの胸ポケットとニット帽の中)にいる自分の神姫を振り落とされたり押しつぶされたりされないよう気をつけつつ群集をかき分けかき分け、そちらへ向かった。階段が店舗の一番奥にあることを少し呪った。ケンの風体におののいて自ら道をあける人が多かったことに、マスターは少し複雑な気持ちになる。 集合場所はギャラリー席とは分割されていて余裕があった。もう参加者全員が集まっていた。マスターとケンを入れてちょうど二十人である。 「やあ、すまない。大変なギャラリーだな」 「こんなに集まるなんて思ってもみませんでしたよ。兎羽子さんと澟奈さんが列整理に行ってくれたんですけど、行ったっきり戻ってきません」 「大丈夫なのか」 「ご心配なく。ああ見えて頑丈ですから」 「頑丈?」 妙な形容をするなとマスターは思った。 「あ、いや、何でもないです。さて、時間も押してますし、最終登録してルームに行きましょう」 最終登録は本人確認と神姫の装備確認である。装備確認はあらかじめ郵送されてあるエントリーシートに構成を書き込んでおき、ショップのイベント管理担当(多くはそのショップの店長が行う)に渡すのである。その後、コンソールにて最終審査に入る。ここで弾かれればもちろん参加不可能であるが、イベント主催側にも事前に予定装備を電信し許可されてあるから弾かれることはまず無い。 イベントの癖にずいぶん参加手続きが面倒だなと思う読者もいるだろうが、しかし実際にランクポイントや褒賞パーツが授与されるのであればその扱いは通常のオフィシャルバトルと同等なのである。 マスターはこの時になっても、参加資格にあった「一部自由」がどこまで自由なのか気になっていた。そもそもほとんどオフィシャルバトルに参加していないどころか裏バトルの常連であるケンが参加できたというのが、マスターをいっそう混乱させた。 「ケン」 「あ?」 「お前、シエンにどんな装備をさせたんだ?」 「そいつぁ・・・・・・」 少し考えるふりをして、ケンはにやりと笑った。口元のピアスがきらりと反射した。 「見てのお楽しみだ」 そう言い残して最終登録に向かって行ってしまった。 「あなたが公式武装主義者(ノーマリズマー)ね」 年季の入った声をかけられ、マスターは振り返った。 小柄でスレンダーな老婦人が立っていた。 銀色の長い髪を後ろで結んだその顔は、「苦労して勝ち取った」であろう皺が刻まれている。パリッとしたワイシャツの上に黒いベストを着ている。下はスカートではなく、フォーマルパンツである。豪奢さをひけらかさず、きつく内に秘めたまさしく老練な人物が感ぜられた。どこか大きなカジノの名ディーラーといった雰囲気だった。 適度に化粧の施された顔の、瞳の色は青い。日本人ではない。 「あなたは?」 めったに言われることの無いほど知名度の低いその名前を呼ばれて、マスターはややうろたえた。 「ごめんなさい。私はバセット・スキルト。ファーストランカーをやらせてもらってるわ。こっちは・・・・・・」 と言って胸元から神姫を取り出した。優雅さのにじみ出る仕草だった。 「はじめまして、忍者型MMSフブキの『シヅ』です」 バセットの手のひらで、シヅと名乗ったその神姫は深々とお辞儀をした。マスターは慌ててポケットからマイティを引っ張り出して挨拶させた。首根っこを掴まれたマイティは金色のボブヘアーを振って不機嫌そうにしながらも、三つ指ぞろえでこうべをたれるシヅを前にして慇懃に応じた。普段そんな礼儀正しいことことなどやっていないから、マイティの動きはぎこちなかった。後で礼儀を教えてやらねばいけない。 「この子があのマイティちゃんね。可愛い子だわ」 微笑を浮かべるバセットの後ろで、他の参加者達がなにやらざわざわと沸いていた。どうやらこの老婦人のことを話しているらしかった。それほど有名な人物なのだろうか。一人を除いてファーストランカーのことなどまったく知らないマスターは、少し申し訳ない気持ちになった。 「ファーストランカーの方が、どうして私たちを知ってるんですか?」 マスターが質問しにくくなっているところへ、率直な疑問をマイティはぶつけた。 バセットはいやな顔ひとつせず答えてくれた。 「私たちも、あなた達と同じように公式装備しか使っていないからよ」 これにはマスターが驚嘆した。 ファーストリーグで公式装備を使っている。当たり前のように響くその言葉だが、ファーストリーグを少しでも知っているオーナーならばその意味がどんなに過酷な限定条件であるかすぐに分かる。 あの鶴畑、は極端な例だが、そうでなくても勝つために手段を選ばないのは至極当然としてまかり通っている所である。違法すれすれのあらゆる装備を万全に使いこなすのが実力、もちろん運も実力のうちで、その運を思い通りに操作するのも実力。裏で八百長をやっているのはさすがに鶴畑の次男坊と長女くらいなものだが、それを抜きにしたところで、ただのオーナーが飛び込んでいってまともに戦える世界ではない。 そこで公式装備のみを用いて戦ってゆくというのは、正直「自虐」といっても良いくらいであった。 マスターは質問しにくい空気を無理に切り裂いて、一番訊きたいことを訊いた。 「ミズ・バセット。失礼ですが、ランクは?」 「72位よ」 自慢する風はまったく無かった。ただ事実のみを告げるように言って、事実、そうだった。 ファーストでトップ100位以内に入っていることが告げるのは、彼女のノーマリズムは自虐ではなく、れっきとした実力であるという証であった。 このときマスターの中には、あの片輪の悪魔へのリベンジとは別に、ファーストへ向かう動機がもう一つ生まれた。だが今の彼はまだそれに気が付いていない。 「ほら、あなたの番よ」 バセットに言われて、マスターははっと我に返った。気がどこかに飛んでいた。背中の方で店長が呼んでいた。 「失礼」 あわただしく手続きに向かおうとして、マスターは一度振り返って、 「あなたと共に戦えて光栄です。ミズ・バセット。たとえ敵でも味方でも」 この先仲間になるかどうかは分からない。チーム分けは完全にコンピュータ任せのランダムなのだ。 「ミセス、よ。夫はもう天に召されてしまったけれど」 何の屈託も見せずにバセットは言った。マスターは一瞬どう返してよいか迷ったが、 「頑張りましょうね」 その言葉に深々と礼をした。 手続きを済ませ、割り当てられたコンソールルームへ向かおうとすると、 「あーっ、マイティちゃんなのーっ」 丸っこい声が斜め後ろからぶつかった。 びっくりして振り向くと、そこには見覚えのあるマオチャオと、長いポニーテールの少女。 「ねここちゃん!?」 マイティも目を見張った。が、飛びかかられるところまでは回避できなかったようである。気が付けばすでにマスターの腕の上でマイティはねここに抱きつかれていた。 「また会えたの、感激~っ」 「ちょっと待って落ち着いて。あっ、だめ、そんなとこさすらないで、あっ、揉んじゃだめえぅっ」 本物のネコばりにじゃれ付くものだから、もうマスターの腕の上は喧々である。時折妙につややかな叫びが上がるのは気のせいにしておく。 「風見美砂さんか。君もこの大会に?」 腕の上は完全に放っておいて、マスターはこの猫の飼い主に挨拶した。 「ええ、ねここが『どうしても飛びたい』って言って聞かないものですから。まさか受かっちゃうなんて」 「空対空戦闘の経験は」 「正直、まだちょっと不安なんです。マイティちゃんがいてくれれば心強いんですけれど」 「同じチームになれることを祈っているよ」 「はいっ」 まだごろごろと懐いているねここを引き剥がさせて、マスターは別れた。美砂の肩でハウリンがものすごい形相でこちらを睨みつけていたのはわざと無視した。シエンでもあんな顔はしないな。 彼らが割り当てられたルームは十一番。一番真ん中、ディスプレイの真下である。 ルームは移動式の個室であった。ドアを閉めるとギャラリーのざわざわした喧騒がふっと消えた。耳を澄ませばかすかに聞こえる程度だが、気にはならない。かなりの防音機能である。床は絨毯で、一角に見慣れたバーチャルバトルコンソール一式が置かれ、一時間腰を据えて挑めるようリクライニングシートが設けられている。設営のときから感じていたが、かなり金のかかった設備である。意外に閉塞感が無いと思ったら、天井が透明なアクリル張り。見上げれば巨大なペーパーディスプレイが一面に広がっている。店長の計らいで小型の冷蔵庫まで設置され、その中には清涼飲料水が何本かストックされていた。 ここで七時間半戦うのである。ラウンド中にやられても、次のラウンドには参加できるルールである。もし撃墜されたとしてもその間はただ待っているつもりは無かった。そういう時間こそ有効に使うべきだとマスターは考えた。 だが、肝心のルールの詳細がまだ分からない。負けた後に戦いを観戦できるのかどうかも。まあここで見られなくなっても、見上げればドでかいディスプレイである。情報収集に困ることは無いだろう。 十二時までまだ数分あった。コンソールを起動し、コネクティングポッドにマイティを座らせ、メインボード、サイドボードのそれぞれにあらかじめ申請していた武装を設置してゆく。サイドボードにはさらにオフィシャルのマークが入った紙箱を入れた。中には何かがぎっしり詰め込まれているようだった。ボードの窓を閉める。 これで時間が来たら即座にアクセスできる。他にやることもなくなったので冷蔵庫を開けようとすると、コンソールのテーブルの上に一枚の白いビニールパックが置いてあるのを見つけた。 手にとって見ると、中にカードが入っているようだった。パックの表面には赤文字で大きく「許可されるまで開封しないでください」との注意書きがある。コンソールの脇には増設されたカードスロットもあった。何か特別なことをするのだろう。考えるのは開けてからで良い。 パックを傍らに置いて、時間を待った。冷蔵庫の中身は全部スポーツドリンクだった。いま季節は冬だが、空調が利いているとはいえルーム内は余計に熱を持つだろう。この選択は賢い。 一口飲んでいるところで時間が来た。マイティを寝かせ、激励の言葉をかけ、ハッチクローズ。 アクセス開始。 ◆ ◆ ◆ BGM Operation(エースコンバット04・オリジナルサウンドトラックより) 1200時 114サーバー・ブリーフィングルーム(VR空間) ブリーフィングルームはまるで宴会場だった。マイティはその騒がしさに圧倒されて、まるでどこか知らない土地に放り出されたような気持ちになった。 神姫スケールに縮小された大部屋だった。くぐもった轟音がひっきりなしに響いてくるので、ここはどこかの航空機の中なのかもしれないとマイティは叫びだしたくなる衝動を抑えて冷静に分析した。ずいぶん凝ったVR構築である。 全ての神姫が素体状態で騒ぎ合っている。カスタムタイプの神姫はひどく目立っていた。が、マイティを含むほとんどの神姫たちは姿かたちだけでは誰が誰だか判別できないから、オンラインゲームよろしく頭の上に名前が浮かんでいる。マイティは不安に耐え切れずに頭上の名前たちを見渡した。まるで自分が人間になったような雰囲気だった。自分のを含むオーナー達の姿が見えないのも不思議な感覚を覚えさせた。 見覚えのある名前は見つけられなかった。いよいよわめき出しそうになるところへ、まさにタイミングよく真後ろから抱きつかれた。 「ぃひゃああーっ!?」 素っ頓狂な叫び声を上げてしまった。水を打ったように喧騒が静まって、周囲の神姫たち全員の視線がマイティに注がれる。二百体以上はいる。マイティという名前のアーンヴァルは一躍みんなの知るところとなった。 「ごろごろ」 後ろから抱きついてきたのはもちろん、ねここである。 「マイティ!?」 集団から抜き出て近づいてきたハウリンは、シエンである。その後ろからはフブキ。シヅであった。 さらに次々と何体かの神姫が集まってくる。なんと同じエルゴ接続の神姫たちであった。彼女らはマイティとシヅそして彼女達のマスターの会話を見てすでに二体を見知っていた。他の二百体弱の神姫がほぼばらばらの場所から集まっている中、奇跡的な確立で、あの場にいた二十体全員が同じチームに割り振られたのである。 マイティを中心にして、彼女らに奇妙な連帯感が湧いた。自然と一つの飛行隊が出来上がった。 エルゴ飛行隊(ERGO Spuadron)の結成である。 間もなくアナウンスが聞こえ、第一次ブリーフィングが開始された。 前へ 先頭ページへ 次へ
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キズナのキセキ ACT0-3「アイスドール」 ◆ 右の武装脚を踏み込み、ほんの少しだけ身体を宙に浮かせる。 間髪入れずに、背部の増設バーニアを噴射。 地を這うように滑空し、猛スピードで対戦相手に肉薄する。 「くそっ!」 小さなつぶやきと同時、対戦相手のジルダリア型のハンドガン「ポーレンホーミング」から、弾丸がばらまかれてくる。 それを錐揉みしながら回避、逆にこちらも機関銃を構え、撃った。 ジルダリアは防御の姿勢。 数発着弾。花びらを模した装甲に阻まれ、ダメージにはほど遠い。 だが、足は止まった。 間合いを取ろうとしていたピンクのジルダリア型は、その場で相手を待ち受けざるを得なくなった。 両腕にマウントされた剣「モルートブレイド」を構える。 そこに白亜の神姫が飛び込んできた。 背後から伸びるサブアームを前方でクロスし、そ のまま体当たりしてくる。 「くうっ!」 たまらず声を上げたのはジルダリア。 力任せの体当たりを防御するも、弾き飛ばされる。なんとか空中で姿勢を制御した。 背面に取り付けられたリング状の武装は、花びらを模した武装が取り付けられており、推進器の役割も持つ。 その「フローラル・リング」はジルダリアの代名詞とも言える武装だ。 姿勢を取り戻したジルダリア型だったが、しかしこのタイミングは、迫る白亜の神姫にとって得意のパターン。 さらに踏み込んできた白い神姫は、サブアームを振り抜いた。 鋭い指を揃え、突いてくる。 この抜き手は狙いを外さない。 反射的に身をよじったジルダリアの身体をかすめ、背後のフローラルリングを打ち砕いた。 「しまった……!」 ジルダリア型の驚きを気にも留めず、白い神姫は間髪入れずに、逆の副腕で抜き手を放つ。 狙いは胸部。その奥のCSC。 あやまたず放たれた抜き手は、無慈悲にもジルダリア型の胸を貫いていた。 勝利したのは、白いストラーフ型。 その名を、ジャッジAIが画面に表示する。 『WINNER ミスティ』 ◆ 「いやー、まいったまいった」 頭を掻きながら筐体から離れた男が言う。 先ほどの、紅とピンク色にリペイントされたジルダリア型のマスター・花村耕太郎である。 彼の神姫・ローズマリーも、今は彼の肩の上でうなだれていた。 「今日はいいところまで行ったのに……」 ここのところ、ミスティとの対戦は連敗である。彼女は急速に力を付けてきていた。 「強くなったなぁ、久住ちゃん」 「いえ……わたしなんてまだまだ……」 セミロングの髪を上げ、花村を見る少女は、まだ中学生である。 控えめな口調で謙虚な言葉を口にする。 『七星』の一人を破ったというのに、久住菜々子は笑わない。むしろ、せっぱ詰まっている様子さえ見て取れる。 実際、菜々子はこの対戦に満足してはいなかった。 ローズマリーはノーマルのジルダリア型だ。各部の調整と細かなメンテナンスでポテンシャルを引き出し、知略戦略で戦う。 そのバトルスタイルについては、菜々子は大いに花村を認め、参考にもしていた。 菜々子はまだ中学生で、ミスティを満足にカスタムしてあげられない。わずかに、強襲用の背面ブースターを追加したのみだ。 だから、ノーマルでも強い花村は、今菜々子が目指すべき神姫マスターと言える。 だが、実力があるかどうかは話が別だ。 花村も『七星』の一人ではあるが、まだ二つ名もなく、他のメンバーに比べると実力は劣っている。 カスタムを施された神姫たちがひしめく、他の『七星』たちに勝つためには、現状で満足しているわけには行かない。 もちろん、この時の菜々子は、後に花村たちが『薔薇の刺』の異名を取るなどとは知る由もなかった。 とにかく、菜々子はバトルロンドで強くなることに必死だった。 それには理由がある。 「菜々子、絶好調じゃない」 「あおいお姉さま」 菜々子はそこでようやく、ほっとしたように微笑んだ。 『七星』一人・桐島あおい。 彼女の側に居続けるために。 彼女のパートナーであり続けるために。 菜々子はどうしても強くならなければならなかった。 ◆ 久住菜々子が想像していた以上に、『ポーラスター』における桐島あおいの人気は絶大なものだった。 ゲームセンター『ポーラスター』の神姫マスターの間で、『七星』のメンバーであれば、それだけで羨望の的だ。 彼らは『ポーラスター』に集う神姫マスターの代表である。バトルの実力ももちろんだが、それぞれのやり方で『ポーラスター』の対戦レベルの向上を図っている。 たとえば花村は、ノーマルあるいは公式装備にこだわるマスターたちのまとめ役である。彼を中心に研究グループができ、日夜ノーマル装備の可能性を探っている、という具合だ。 桐島あおいは、バトル初心者を見つけては声をかけ、バトルの講習を行い、対戦の面白さを知ってもらう活動を行っている。 そして、ゲームセンターへの定着をはかり、仲間を増やしていこう、という魂胆だ。 菜々子はあおいの魂胆にまんまとはまってしまったわけだ。 だが、その魂胆にはまったのは菜々子一人だけではない。まだ初級者に分類されるマスターたちの半分以上が、あおいの受講生だと言うから驚きである。 楽しく優しくレクチャーしてくれるあおい先生が、人気がないはずがない。 受講生たちはほとんどが桐島あおいのファンだ。特に女の子たちは、あおいの取り巻きとなっている。 もちろん、彼女の人気は女子だけに留まらない。 あの美貌、あの気立てのよさ、である。あおいとお近付きになりたいと思う男性マスターは大勢いた。 そんなわけだから、ゲーセンにいるときのあおいは、常に人に囲まれていると言っても過言ではない。 つい先日まで、あおいがその輪から離れることはなかった。 そう、久住菜々子と出会うまでは。 菜々子が『ポーラスター』に現れて以来、あおいは菜々子との時間を優先するようになった。 対戦していないときは、もっぱら菜々子の側にいる。 バトルロンドでは、ツー・オン・ツーのタッグバトルでコンビを組んでくれるし、対戦を希望すれば必ず相手をしてくれる。私的な練習にも、まめに付き合ってくれる。 しかも、タッグバトルのパートナーは、『七星』のメンバー以外では、菜々子とだけしか組まなくなった。 菜々子をひいきする理由をあおいに問いただしても、笑ってはぐらかされる。 当然、あおいの取り巻きをしている少女たちは面白くない。 彼女たちの矛先は、自然、菜々子に向けられた。 菜々子に対する「特別扱い」をやっかむ陰口は毎日のことだった。 また、ことあるごとに……いや、何もなくても、あおいの取り巻きたちは菜々子にしょっちゅう難癖を付ける。直接不満をぶつけに来る。 「いい気にならないで! あおいお姉さまはあなたのものじゃないのよ!?」 「……あなたたちのものでもないでしょう」 「みんなのものよ!」 「……お姉さまは、お姉さまのものだと思うけど」 「まあっ、生意気に言い返すつもり!? だいたい、あんたなんか、お姉さまのタッグパートナーに不釣り合いなのよ!」 「じゃあ、誰だったら、お姉さまと釣り合うの?」 そう言われると、取り巻きたちは声を詰まらせざるを得ない。 『七星』や上級者の常連ならともかく、初級者に毛が生えた程度の取り巻きマスターたちでは、タッグマッチでルミナスの足を引っ張るのがオチだ。 そう言う意味では、今一番の成長株と目される菜々子は、あおいのパートナー候補になりうる。 また、それなりの美貌がなければ、あの桐島あおいの隣に並んでも見劣りしてしまう。 本人が考えたことはないが、その点でも、菜々子は及第点をクリアしていると言えよう。 だからといって、やっかみの声が静まることはない。 菜々子は表立って反論するようなことはしない。そんなことをすれば、火に油を注ぐだけだとわかっている。 では、どうするか。 実力で黙らせる。 バトルの実力で、お姉さまの側にいるのにふさわしいことを証明してみせる。 『七星』なれるほど強くなれば、きっと誰もが、自分をあおいお姉さまのパートナーとして認めざるを得ないだろう。 だから、菜々子は最短距離で強くなろうとした。 その結果、彼女のバトルスタイルは、相手の弱点を容赦なく突き、勝ちばかりを求めるものになっていた。 だが、そんな菜々子のスタイルに、当のあおいお姉さまは難色を示す。 あおいが菜々子に求めるバトルスタイルは、勝ちばかりを意識したものではない。 それは「魅せる戦い」だとあおいは言う。 しかし、菜々子にはその意味が、よく分からない。 ◆ 「久住ちゃんも強くなったよな。そう思わないか、お姉さま?」 あおいと花村は並んで、観戦用の大型ディスプレイを見上げていた。 ディスプレイには、ミスティの戦いぶりが映し出されている。 現在、三連勝の表示。 「……まだまだね」 「手厳しいな。君の妹分だってのに」 「自分の身内に対しては、容赦しない主義なの」 「それは久住ちゃんがかわいそうだ……また勝つぜ」 その言葉とほぼ同時、ミスティは必殺の抜き手を放ち、相手神姫を撃破した。 連勝表示が一つ増え、四を示す。 「ほら。もう、常連の中でも頭一つ抜きんでてる感じだ。相手になるのは『七星』ぐらいじゃないか?」 「そうかもね」 「……だから、みんなに提案がある。俺は久住ちゃんを『七星』に推薦したい」 「え?」 あおいは花村を見た。 そして、その場にいた、『ポーラスター』の『七星』のメンバーたちも。 その時点での『七星』のメンバーは、花村とあおいを含めて六人だった。 「今日、招集をかけたのはそれか、花村」 「そうだよ」 武士型のマスターである『七星』メンバーの言葉に、花村は頷いた。 『七星』のメンバーに加入できるか否かは、メンバーの合議によって決まる。 といっても、堅苦しいものではない。誰かが推薦して、「いいんじゃない?」といった感じで決まることがほとんどだ。 「『七星』は今六人。久住ちゃんが加われば、人数的にもちょうどいい。 それに、彼女の向上心は、他のプレイヤーたちにもいい刺激になるんじゃないかな」 「なるほど」 「確かに」 「異議なし」 他のメンバーも、花村の意見に頷いている。 確かに、最近の菜々子とミスティの成長には、目を見張るものがある。 あおいの取り巻きたちと比べても、あきらかに一線を画した実力だ。あおいのパートナーを目指すマスターは他にもいるが、実力的にも相性的にも、菜々子に匹敵する者はいない。 他の『七星』に比べれば、まだ見劣りする実力も、すぐに追いつくだろう。 そして、菜々子自身、『七星』になることを望んでいる。 反対する理由は何もないように思えた。 だが。 「わたしは反対」 そう言ったのが、当のあおいであることに、花村は驚きを隠せない。 「どうして? 桐島ちゃんが一番喜んで賛成すると思っていたのに」 「まだ早いわ」 「そうは思わない。彼女は十分に強いじゃないか」 「確かに強くなった……でも、足りないものがあるのよ」 「足りないもの……?」 「あの子はまだ、勝ち負けしか見えていない。強いだけじゃ、ダメなの」 ミッションモードで乱入待ちをしている菜々子を見る。 バトル中の彼女は、いつも真剣な表情でディスプレイを見つめている。何か思い詰めたような様子さえある。 あおいは小さくため息をつき、菜々子の向かい側へと歩み寄る。 「菜々子」 「お姉さま」 「次、対戦、いい?」 「どうぞ……真剣勝負でお願いします」 「わかったわ」 あおいは鮮やかな笑みを見せて、向かいのシートに座った。 肩にいる自分の神姫を、アクセスポッドに寄せる。 「行くわよ、ルミナス」 「はい、マスター」 その後、ものの三分とかからず、ルミナスはミスティを撃破した。 菜々子はいまだに、本気のあおいに一度も勝てなかった。 ◆ 「だから、ただ勝てばいいってものじゃないのよ。もっと楽しまないと」 「それがよくわかりません。勝つこと、イコール、楽しいことじゃないんですか?」 「勝つだけが、バトルロンドの目的じゃないわ」 対戦後、自動販売機のあるコーナーで、冷たい飲み物に口を付けながら、二人は話していた。 幾度となくかわされた会話であるが、お互いの意見は平行線である。 あおいは、武装神姫のバトルには、勝敗以上の何かがあると思っている。 その「何か」を説明するのがなかなか難しい。 たとえば、自分の力を出し切ったときの充足感とか、自分の戦術が見事に当たった瞬間の気分とか、自分と神姫がまるで以心伝心のように意志を伝えあったときとか、自分の成長を感じられたときの嬉しさとか、そういったものだ。 それを感じることこそ、武装神姫の醍醐味、とあおいは思っている。勝利はその延長上にあるものにすぎない。 それを菜々子にも分かってもらいたい。 だが、我が妹は、そのことをなかなか分かってくれない。彼女は勝利を第一優先にしている。 対戦において勝利第一主義が悪なわけではない。ただ、あおいの主義と合わないだけだ。 だからこそ、菜々子の説得が難しい。 あおいはため息をついた。 「だから『アイスドール』なんてあだ名されるのよ」 「アイスドール?」 「あなたの異名。氷のように表情を変えずに、容赦なく弱点を攻撃する。まるで感情のない人形のように。だから『アイスドール』」 二つ名は、尊敬の意味を込めてつけられる場合が多い。 だが、菜々子のそれは、皮肉が込められている。そんな戦い方で楽しいのか、と。 また、ゲーセンでの菜々子は、あおいの側以外では、あまり表情を変えない。それは先日の悲しい出来事に起因しているのだが、知らない人の方が多いのだ。『アイスドール』の二つ名は、そんな普段の様子も揶揄されている。 しかし、菜々子はのんきにコメントした。 「へえ……ちょっとかっこいい、ですね」 そう言って小首を傾げた菜々子はとても可愛い。 あおいはがっくりと肩を落とした。我が妹は、二つ名の裏の意味にまったく気がついていないようだ。 あおいは頭に手を当てて、悩む。 どうすれば菜々子に、自分の考えを分かってもらえるのだろう? ◆ マスターたちの悩みをよそに、ミスティとルミナスはのんきに話をしている。 神姫である彼女たちも、マスター同様、すこぶる仲がよい。 お互いのマスターの肩の上で、マスターたちの話の邪魔をしないように、極長調波の音声で会話をしていた。 「まあ、わたしは『アイスドール』のままでもいいんですけどね。勝てているし」 「そうねぇ。わたしたちと肩を並べるために、まずは勝ちに行くっていう菜々子さんの考えも一理あるわよねぇ」 ルミナスはアーンヴァル型のカスタムタイプである。 本来、アーンヴァルは長距離射撃を得意としているが、マスターであるあおいの趣味で、中距離から近接格闘戦ができるような装備にカスタムされた。 背面の大型ブースターを、小回りの利くバーニアに変更。武装も、ロングレンジライフルを廃し、中距離向けのビームライフルなどに変えている。 コンセプトは最近発表されたアーンヴァルmk2に近い。 ルミナスの戦い方は「蝶のように舞い、蜂のように刺す」を実現したようなスタイルだ。 最高速度の加速を捨て、機動力重視の推進を手にしたルミナスは、あおいの指示のもと、飛行機のアクロバットさながらの機動を見せる。 そして、急加速による接敵からの近距離戦に移行する動きは鋭い。 こうした機動を緩急つけて行うことで、ルミナスはあたかも空中で舞っているように見えるのだ。 その空中の舞を駆使した戦いぶりは、美しく、そして強い。 あおいとルミナスは、その戦い方から、『月光の舞い手(ムーンライト・シルフィー)』と呼ばれていた。 「わたしたちの戦いぶりと比べると、あおいさんとルミナスの戦い方は真逆ですけど」 「だからこそ、タッグバトルで噛み合うってのはあるわよね」 「わたしもそう思います……あおいさんは、何が気に入らないんでしょう?」 「ミスティに、わたしたちと同じような戦い方をして欲しいんじゃないかな」 「それは無理でしょう……うちのマスターの性格からして」 二人の神姫は、人には聞こえない声で、笑った。 ◆ 「今の、ルミナスとミスティのタッグは、こんな感じね」 あおいは、ルミナスを示す右の指をくるくると回して螺旋を描き、その螺旋の中心を貫くように、ミスティを示す左の指を一直線に動かした。 「コイル……ですか?」 「え? ああ……そうね、電磁石みたいね」 「勝ちがいくらでもくっついてきそうです」 我ながら、つまらないジョーク。 でも、電磁石で何の問題があるのかわからない。 華麗に舞うルミナスと、容赦なく敵を倒すミスティ。 そのミスマッチこそ、このペアの強さだとも思う。 だが、あおいはまた両手の人差し指を動かした。 「わたしが望むタッグバトルは、こんな感じ」 両手の指が、今度は互い違いの螺旋を描く。時に近づき、時に離れ、模様のような立体図形が宙に描き出された。 「二重螺旋……?」 「ああ、なるほど……遺伝子に似ているわね。 そう、二人が一緒に魅せる戦いをすれば、試合はきっと、勝ち以上のものに進化するでしょうね」 そう言って、あおいはにっこりと笑った。 「息のあったパートナー同士のタッグバトルは、すごいわよ? それはバトルなのに、まるでダンスを踊っているように見える……とても美しいの」 「……美しい?」 「そうよ」 自信たっぷりに頷いたあおいに、菜々子は首を傾げる。 菜々子は、そんなバトルをしたことがなかったし、名勝負と語り継がれるような試合を見たこともなかった。 戦闘行動は、その時どきの状況によって刻々と変化する。 それなのに、パートナーと息を合わせて戦うなんて、できるだろうか。 もちろん、菜々子とあおいのコンビは、ここ『ポーラスター』でもトップクラスの実力である。バトルの時のルミナスとミスティは息が合っていると思う。 これ以上、何が足りないというのだろうか。 「きっと、菜々子の戦い方には、個性が足りないんだと思う」 「個性?」 「そう。ミスティは、ストラーフ型の戦い方としてはすごく真っ当だけど、それは誰もがどこかで見たことのあるストラーフに過ぎないわ。サプライズが何もない」 「……でも、わたしは、お姉さまのように華麗な動きを指示できません」 困ったように言う菜々子に、あおいは苦笑した。 「わたしの真似をする必要はないわ。まずは、あなたらしい戦い方を模索してご覧なさい」 「わたしらしい……戦い方……」 それこそが今の戦い方なのではないかと思うが、違うのだろうか。 おそらく違うのだろう。ステレオタイプなストラーフの戦い方は、誰にでもできる、ということなのだ。 だけど、菜々子らしい戦い方、というのは、なんなのだろう? 「それができるようになったら、菜々子を『七星』に推薦するわ」 「えっ……」 「どう? もう少し頑張ってみる?」 「はい!」 微笑むお姉さまに、元気に返事をした。 他でもないお姉さまが『七星』に推薦してくれるというのだ。 そうなれば、誰に恥じることなく、あおいお姉さまのパートナーと名乗ることができる。 菜々子は俄然やる気になった。 その日から、菜々子とミスティの、オリジナルな戦い方を模索する日々が始まった。 □ 「ひとつ疑問があるんですが……」 「何かな?」 「桐島あおいは、なんで久住さんにこだわったんでしょう?」 ここまでの話を聞いて、俺が一番気になったのはそこだった。 ただ仲がいい、とか、お気に入り、と言うレベルを超えている気がする。 長い付き合いの他の常連たちを差し置いても、菜々子さんを特別にかわいがる理由が、何かあるのではないか。 花村さんは、少し考えてから、言った。 「……たぶん、桐島ちゃんは、久住ちゃんに自分を重ねていたんじゃないかな」 「……?」 「桐島ちゃんも、幼い頃に両親を亡くして……祖父母の元で暮らしてるって聞いたことがある。 あの頃の、打ちひしがれた久住ちゃんを見て、桐島ちゃんは放っておけなかったんだと思うよ」 なるほど、と俺は頷いた。 桐島あおいは、自らの境遇を菜々子さんに重ねていた。だからこそ、献身的に菜々子さんを支えていた。 菜々子さんも、桐島あおいの事情をいつか知ることになったのだろう。 武装神姫だけでなく、身の上でも、二人は共通の思いを抱いていたのだ。 二人が急速に惹かれ合い、寄り添ったのにも納得がいく。 それにしても。 花村さんが話してくれる菜々子さんの過去は、実に興味深い。 『ポーラスター』で過ごした菜々子さんの様子は、今の『エトランゼ』の戦闘スタイルが形作られていく過程だ。 スタンダードなストラーフ型のバトルが、いかにしてあのトリッキーかつパワフルなミスティのバトルへと変化するのか? 俺は期待を込めつつ、花村さんの声にまた耳を傾けた。 次へ> Topに戻る>
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声優 デザイナー 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補基本補正 神姫考察 総評 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント 声優 野川さくら(D.C.P.S. 〜ダ・カーポ〜 プラスシチュエーション:朝倉音夢、ローゼンメイデン:雛苺、ストライクウィッチーズ:エーリカ・ハルトマン、クレヨンしんちゃん:もえP、他) デザイナー ちびすけマシーン(近作は「CANDY METEOR」名義でのオリジナルフィギュア・ガレージキット「WR-7/宇宙うさ」シリーズ) 神姫解説 アイドルをモチーフとした異色の神姫。バトル参加だけでなく、実際に神姫アイドルとして各種イベントの仕事もこなしている。見た目はバトルに不向きそうに見えるが、トリッキーな攻撃の数々を生み出す武装が充実している。AIは芸能界の荒波を生き抜く我の強いタイプの設定。計算で天然キャラを演じたりもする。 名称:蝶型シュメッターリング(ちょうがたしゅめったーりんぐ) メーカー 素体:Production Fairies 武装:Production Fairies 型番:PF07B フィギュア発売:2007年11月29日(第7弾EXウェポンセット) 主な武装:マルレーン712(マイクにグリップを装着したハンドガン。モーゼルC96を模している。本作では片手ライトガン) ポシェットマイン(マイクスタンドの土台部分。グリップ付いてあり、投擲地雷としても使用可能。本作では何故か未実装) マイクスタンド(マイク・グリップ・支柱・ポシェットマインの四点構成。本作ではマルレーン712を装着した状態で片手打撃武器と回復・補助武器の二種を実装) ラヴリーバルカン(手首に装着可能な武装。本作ではアームパーツにラヴリーバルカン有り無しの二種類が実装) スウィートブラスター(太ももに装着可能な武装。本作ではレッグパーツにスウィートブラスター有り無しの二種類が実装) ハンドニュークリア(ハンディサイズの核爆弾、本作では未実装。倫理的な意味で今後も実装は怪しい) ペットロボ「ラビボン」(主にラヴリーバルカン・スウィートブラスター・ハンドニュークリアから構成されたAI搭載型オプション兵器。残念ながらバトマスでは未実装。本作ではアクティブスキル「チャーミークリアボイス」でのみ拝見できる。) (※武装から戦争物を連想させるのは、デザイナーの意向によるもの。 原案ではラビボンの構成パーツに耳当てがあり、フィギュアでは耳と髪の毛で無理やり挟む形で再現できる。) 武装神姫第7弾。愛称「シュメ子」「蝶子」「シュメったん」「(アイドルだから)アイ子」「シュメッターハンマー」。 同時発売されたアークとイーダのフルセットと同様、武装神姫シリーズ初のクリアパーツを採用しているが、素体を持たない「EX」シリーズとして発売されたため、別個にMMS素体(1st/NAKED FLESH Ver.2を推奨)を調達する必要がある。 武装神姫全体の中でも際立って個性的な要素を持つためか、様々な逸話が存在する。 + 初回生産時の有名な話はこちら 初回生産分においては、デザイナーとメーカーの連絡の行き違いが原因で、頭部のリボンの向きが本来のデザインとは外内逆になって取り付けられるというミスが存在する。 本件はデザイナー自身が個人サイトで告知したことにより明らかになったが、メーカーからの告知は一切行われておらず、修理や交換も行われていない。 該当箇所は接着こそされていないものの、パーツへの塗料の癒着により、取り外しが困難な場合がある。 二次生産分からはリボンの向きが本来の向きに修正され、一部の素材も変更された。 また、デザイナー本人の手製ガレージキットとしても、他の神姫にはない独特の展開を持つ。 + その最たるものは… その最たるものは、公式誌「武装神姫マガジンVol.1」でも紹介された神姫アイドルユニット「リトルリリィ」。 シュメッターリングの純正装備を前提とした頭部のみのバリエーションキットだが、中には製品版シュメッターリングの「本来のデザイン」たるバージョンや、グラップラップの翻案版も含まれていた(現在は「解散して普通のロボ少女になっている」との事)。 ちなみに、現在展開されている「宇宙うさ」シリーズにしても、元々はリトルリリィ同様のMMS素体用ガレージキットだったものが、武装神姫公式展開の停止を受けて独自開発された素体「WR-7」によって進化を遂げたものである。 もはや武装神姫ではなく完全なオリジナルガレージキットとなってしまったが、その一方でこれまた独特のファン層を構築しており、新作再販問わず頒布即完売となるなど、現在でもその人気は高い。 フロントライン神姫たちの系譜がエーデルワイスへと受け継がれているように、シュメッターリングの系譜もまた「宇宙うさ」達に受け継がれているのだ。 本作中での彼女の素体デザインは、バトロン時代のそれを概ね引き継いでいる。 フィギュアでは素体が基本的に「素っ裸」である都合でか、ピンクと白のいわゆる「しまぱん」を着用しており、バトロン当時は素体状態から武装する時にフィギュア準拠へと変化していたが、バトコンでは(昨今の情勢を反映してか)スカートの下はしまぱんではなく、アンダースーツのままとなっている。 こうした理由もあってか、実神姫に布服を着せて愛でるマスターの率も総じて高め。 そのバトロン当時は武装神姫中トップクラスの頭の大きさがよくネタにされていたが、本来想定されていたプロポーションを3rdSmall素体が存在しなかった時点で実現するには是非もない事であり、生まれた時代が早すぎた神姫とも言える。 ただ、実は初期神姫の一角たるハウリン/マオチャオの時点で、一部パーツがやや短めに修正されてはいたものの結果的に似たような状態となっており、結局3rd素体登場後のパーティオ/ポモック(共に本作未実装)で本質的解決を見ている。 ちなみに後年の3rdSmall神姫でも蓮華やガブリーヌはデザインと武装の兼ね合い上から、ベイビーラズは頭部武装ギミックの関係から、共にシュメッターリングに比肩するか上回る頭の大きさとなっている。 その「本来想定されていたプロポーション」の再現を意図して3rdSmall素体へと素体換装したユーザーの存在も若干ながら確認されているが、そもそも1st素体と3rd素体の間には微妙な仕様の相違があるため、主に武装への不可逆改造が必須となる。 + 具体的には… 3rd素体には一応1st胸部武装用のアダプターが付属しているのだが、装着すると前後幅が広くなる上、特にシュメッターリング用武装の場合は1st素体にある背中のネジ穴も接続するために必要なところ、3rd素体にはこのネジ穴がないという問題があるため、前述アダプターを加工の上武装と接着した方がよい。 更に、腰回りがより小さくなる分スカートもブカブカになってしまうため、プラ板やプラ棒でアダプターを作ってやるか、思い切って接続ピンを切ってしまうかする必要がある。 なお、1stと3rdでは首関節の軸径もコンマミリ単位で違う上、3rdでは首パーツの材質が軟質樹脂からABS樹脂に変更されてしまったため、軸を少しだけヤスっておかないと後で割れ砕けてしまう結果に繋がりやすい(これは、1st素体の神姫を3rd素体に転換する上で共通する問題)。 本作では前述「本来のプロポーション」が再現されたため、気持ち他の神姫より少なめな頭身となっている。 過去のゲームにおいては、唯一バトロンに実装されていたのみ。 その他の作品には最後まで実装される事がなく、コミック「2036」でもいつの間にか姿を消していたり、アニメ版に至ってはモブとして登場するに留まるなど長らく不遇の身だったが、今回めでたくもバトロン当時の持ち歌「グローイング・ラブ」を引っ提げて再登板する事となった。 + 「グローイングラブ」とは… 「グローイングラブ」とは、武装神姫バトルロンドにおいて使用できるバトルモード「ソングフォーユー」をシュメッターリングで用いた場合に流れる、彼女の「持ち歌」。 (このバトルモード自体はシュメッターリング用武装を揃える事が使用条件だが、他の神姫で使用した場合は伴奏だけしか流れない) 発動している間は相手のスキルを使用禁止とし、更に専用追加攻撃「胸キュンショット」が入れば相手を魅了状態とし身動きを封じる事が出来る他、相手の距離が近い程被ダメージを減らしたりと、当時はそのカオスさに見合わぬ強力さで猛威を振るった。 バトロン当時は1番か2番どちらかしか聞く事が出来なかったが、本作ではフルで歌ってくれる。 バトルステージのBGMを「グローイング・ラブ」に変化させる条件については、「マメ知識・仕様・小ネタ」の項を参照。 性格 既に芸能界を生き抜いたタフな印象を受ける性格。 アイドルとバトルの二つをこなしつつ、オーナーとファンの気配りもしっかりこなすアイドルの鑑。 本作では親密度アップに伴い、オーナーとの二人三脚によるアイドルとしての成功の道のりを見て行く事が出来る。 セリフ一覧 + これからも応援よろしくね☆ ログイン時 通常(朝) おはようございまぁーす!わたしの出番だね?待ってましたぁ! おはよう!今日も1日、ノリノリでがんばりまぁーす! 通常(昼) みんなー、元気ぃ?今日も、ノリノリでいくからねー! あー、あー。ただいまマイクのテスト中~!あ、マイクのボリューム、上げてくれる? 通常(夕) こんにちわ!ねぇねぇ、一緒に歌ってくれる?いち、にい、さーん!……もぉ~、ちゃ~んと歌ってよぉ~! おかえり~!何すればいい?早速だけど、一曲披露しちゃう? 通常(夜) いらっしゃ~~~い!スペシャルライブ・夜の部!はじまるよ~~~!! こんばんは!今からわたしの出番?てへへへ、なんでもやっちゃうよ~! 通常(深夜) こんばんは!ボイストレーニングだと、はりきっちゃうんだけどな… こんばんは!夜遅くまで歌の練習に付き合ってくれて、ありがとう。よーし、がんばっちゃうぞぉ! 年始 あけましておめでとう!今年も最初っから盛り上げちゃうから、しっかりついてきてねー! (ボイス) あけまして、おめでとうございまーす!今年こそ年末の歌番組に出られるよう、がんばるぞー! バレンタイン アイドルだから、本当はダメなんだけど……チョコ、あげちゃうね。みんなには、ナイショだよ ホワイトデー えっ、お返し?ファンに見られるとまずいから、あとでこっそり頂戴ね♪ エイプリルフール (未実装) ゴールデンウィーク (未実装) 夏季 暑い季節は、野外でフェスとかもいいなぁ~。盛り上がること間違いなし! 水着キャンペ ただいま期間限定イベント、開催中でぇ~す!特別に水着でライブしちゃうから、絶っ対見に来てね! 七夕 七夕限定ライブ!○○(プレイヤー名)の願いかなえちゃうよ! ハロウィン ハロウィンだから、きっとすごい衣装が着られるんだよね?わくわく! 冬季 寒くなってきたから、ファンをがっかりさせないためにも、喉のケアを最大限にしないとね! クリスマス メリークリスマス!わたしの特別ライブ招待券○○(プレイヤー名)だけにあげちゃうね! (ボイス) メリークリスマス~!今日だけ特別な、限定ライブを見せちゃおっかな? 神姫の発売日 今日はわたしの発売日だよ!盛大なパーティーをするから○○(プレイヤー名)も参加してね♪ オーナーの誕生日 誕生日おめでとう!わたしの笑顔が、最っ高のプレゼントでしょ?えへっ♪ 神姫ハウス 命名時 ん~、ステキな名前!それにキ・マ・リ♪ 呼び方変更 ○○(プレイヤー名)、呼び方を変えてみない?もっとファンになれると思うの♪ (→決定後) ○○(プレイヤー名)ね。りょうかーい♪ レベルアップ後 レベルアップだよ!○○(プレイヤー名)が応援してくれたおかげだね!これからもずっとわたしだけのファンでいてね。 MVP獲得 わーい!わたしがMVPだって!最優秀大人気アイドルってことでいいよね? 3連勝後 3連勝おめでとうー、○○(プレイヤー名)!これはもうわたしたちがアイドル界を席巻したといっても過言じゃないよね? 親密度Lv5後 ねぇ、○○(プレイヤー名)?今度の新曲、こんな感じで歌ってみたんだけどどうかな?ファンとしての率直な意見をお願い! 親密度Lv10後 ふんふん。出だしはもっと心を込めて…。サビは相手を思いやって…。なるほどね、やってみる! 親密度Lv20後 この間のアドバイスの通りに歌ったら新曲チャート1位になっちゃった!これも○○(プレイヤー名)のおかげだよ! 親密度Lv30後 ねぇ、○○(プレイヤー名)?今度は振り付けなんだけどどんなのがいいかな?大ファンとしてのアドバイスをお願い! 親密度Lv40後 ふんふん。Aメロは情熱的に…。間奏はアグレッシブに…。なるほどね、やってみる! 親密度Lv50後 この間のアドバイスの通りに踊ったらMVのPVが爆上がりしちゃった!これも○○(プレイヤー名)のおかげだよ! 親密度Lv60後 ねぇ、○○(プレイヤー名)?今度はライブの演出なんだけど何か斬新な演出とかないかな?親衛隊としての提案をお願い! 親密度Lv70後 ふんふん。最初は稼動ステージを使って…。終盤はプロジェクションマッピング…。なるほどね、やってみる! 親密度Lv80後 この間のアドバイスの通りにやったら話題になってチケットが爆売れしちゃった!次のライブに招待するね! 親密度Lv90後 みーんなー!わたしのライブにようこそー!今日は一番大切な人のために歌うからちゃんと聞いててねー![修正]いつも応援ありがとう!今日も盛り上がっていこうねー! 親密度Lv100後 今日のライブも大成功だよ、○○(プレイヤー名)!これからもわたしと一緒にバトルもライブもよろしくね♪ 頭タッチ(親密度0~19) うふふ。アイドルのお触りは厳禁だよ? (親密度20~39) うん?わたしの頭がどうかした? (親密度40~59) ゴメンね。せっかくのヘアーセットが崩れちゃうから。 (親密度60~79) うふ、何だかくすぐったいよ~。 (親密度80~) うふふ。撫でていいのは○○(プレイヤー名)だけなんだからね。 胸タッチ(親密度0~19) ひゃあ!ちょっとー!どこ触ってるのよ! (親密度20~39) ひゃ!コラー!わたしはアイドルなんだからね! (親密度40~59) ちょ、ちょっと!間違って触ったわけじゃないよね?! (親密度60~79) も、もう…!恥ずかしいからダメだよ…! (親密度80~) ○○(プレイヤー名)だけのアイドルだからみんなには秘密だよ…? 尻タッチ(親密度0~19) ちょ、ちょっと!写真に撮られちゃったらどうするのよ! (親密度20~39) きゃあ!そ、そんなことしたらスキャンダルになっちゃうよ! (親密度40~59) もう!そんなことしたらダメでしょ!アイドルなんだよ! (親密度60~79) も、もう…!みんながいるからこんなとこじゃダメだってば! (親密度80~) ○○(プレイヤー名)…。今はアイドルなんだからオフの時にね。 通常会話 バトルはもちろんボイストレーニングもがんばっちゃいまーす! ファンのみんなが驚くライブをやりたいな~。○○(プレイヤー名)。何かいいアイデアないかな? わたしの好きなこと?それはもちろんファンのみんなの笑顔を見ることだよ。うふふ。 アンコールかな?みんなの期待に応えちゃうよー! こないだね、ファンからサイン求められちゃった。やっぱりアイドルのオーラは消せないのかな?うふふ。 ねぇ○○(プレイヤー名)。わたしの得意な武器って知ってる?楽器だよ!だってアイドルだからね♪ ○○(プレイヤー名)の推しは誰なの?もちろんわたしだよね?じゃあ大きな声で言ってみよう。せーの! ○○(プレイヤー名)。わたしにお願いとかある?特別に何でも聞いちゃうよ? 今度の新曲の振り付けどうかな?また人気が出ちゃったらゴメンね♪ みーんなー!わたしのライブにようこそー!いつも応援ありがとう!今日も盛り上がっていこうねー! ん?なぁに~? 武装カスタム 戦闘力Up時 これこれ!こうでなくっちゃ! 戦闘力Down時 これでファンの皆が、喜んでくれるかなぁ? 武器LvUP時 これこれ!こうでなくっちゃ! 素体カスタム 親密度LvUp時 日頃のレッスンの賜物だね! 限界突破時 やったぁ!新しいステージに、立っちゃうよ~! 出撃時 キャラ入れ替え みんなー!準備はいーい?盛り上がっていっちゃうよぉー! バトル開始時 みーんなー!こーんにーちはー!頑張るぞ、応援よろしくね! 歌はもちろん、バトルでも負っけなーいよー! → 君たちに会えてわたしもうれしいよ~ バトル中 撃破時 台本どーりっ! あはは!痛かった?ごめんねー。 コンテナ入手時 コンテナゲット!いぇい! 被弾時 ぶーぶー!ステージが台無しだよ! オーバーヒート時 ぶーぶーぶー!ちゃんと管理しといてよね! 回復時 回復ぅ~♪ スキル発動時 (能力強化系)盛り上げて行くよー! (HP回復系)応援、ありがとー! (デバフ系)盛り下がっちゃえー! (攻撃スキル)カメラさぁーん!ここ見せ場だからね! (チャーミークリアボイス)見て見てー!みんなの スーパー アイドル オンステージ! 被撃破時 あーん!勝手に幕を下ろさないでよー! ぶー!もうやだ!帰る! 次出撃時 アンコールありがとー♪ サイドモニター 応援時 がんばれー! すごいすごーい! 交代時 いってらっしゃーい! よーし、いっくよー! 被撃破時 ごめんね… 頑張った、頑張ったよ… バトル終了時 1位 いぇいいぇい!勝っちゃったよー!この勝利を、ファンの皆に捧げます!! ファンのみんなー!こんなに応援、ありがとーう!! → ファンのみんなー!応援、ありがとーう!声援、わたしに届きました!! 2位 あーん残念!もうちょっとだったのにぃー! わたしがトップアイドルじゃないなんて、ウソでしょう? → 次のステージはもっと頑張るから、応援、よろしくね! 3位 むにゅう~、これからだったのにぃ。くやしいよぉ! え、えとぉ、出来が悪い子ほど、可愛いって、言うよね?言わない? → こんな結果じゃ、ファンも喜ばないよねぇ?もっと頑張らないと… 4位 私のステージ、つまらなかった?むにゅう、ちょっとショック… → レッスン頑張るよ。もっと応援、よろしくね? カラフルコンダクト 付いて来て みんなのアイドルだよ コンテナ獲得時 1位 プレゼント貰ったから、はい。どうぞ! 2位以下 あのぉ、怒ってるぅ?…あ、でもでもぉ、ファンがプレゼントくれたよぉ。いっしょに開けよっ! レイド終了時 成功 ファンのみんなー!こんなに応援、ありがとーう!! 失敗 こんな結果じゃ、ファンも喜ばないよねぇ?もっと頑張らないと… LvUP時 神姫親密度 はぁぁー…私いま、すっごい幸せ! マスターレベル やったね!私への声援がもーっと大きくなるように、ボイストレーニング、一緒にしよっ? 神姫ショップお迎え時 わたしの限定ライブにようこそ~!さぁ早く早く!始まっちゃうよぉ~! えへへへ。わたしの出番だね、待ってましたぁ~!これからよろしくね! ゲームオーバー時 わたしのライブ、どうだったぁ?また会える日を楽しみにしているね。じゃあねー、バイバーイ!! その他 + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 えっ!?ドッキリ…だよね?カメラはどこ? はい を押す ああっ…イヤだよぉ!せっかく出会えたのに!忘れるなんて出来ないよ! はい を押す(二回目) 生まれ変わっても、またアイドルになるよ。今まで応援、ありがとう… リセット完了 わたしの限定ライブにようこそ~!さぁ早く早く!始まっちゃうよぉ~! リセット取消 もうー!子供だと思ってバカにしてる!?そんなウソには、引っ掛からないんだからねー! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・プロデューサー・お兄ちゃん 神姫ハウス内コミュニケーション LV70~LV79 頭 防御 胸 LP LV80~LV89 頭 攻撃 胸 ブースト 尻 攻撃 ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 30 30 90 300 300 R 35 35 100 350 320 SR 40 40 110 400 340 UR 45 45 120 450 360 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N 38 38 93 380 330 R 43 43 103 430 350 SR 48 48 113 480 370 UR 53 53 123 530 390 マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1750 160 960 85 50 20 70 R 1050 105 70 40 90 SR 1140 125 90 60 110 UR 1230 145 110 80 130 覚えるパッシブスキル一覧 カーテンコールシュメッターリング専用パッシブ。次の神姫の出撃時間が短縮。生存時ブーストゲージ量アップ効果。 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる ジェムの出す量軽減[小]敵に攻撃された際にジェムの出す量を少なくする 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル ダウン軽減[小]ダウン時の行動不能時間が短くなる 追加ダメージ軽減[小]敵からの追加ダメージを軽減する スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ダッシュブースト消費量減少[小] *要限界突破(L110)ダッシュする際のブースト消費を減少する 防御力アップ[中] *要限界突破(L120)防御力を上げる 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる ブーストアップ[小] *要限界突破(L110)ブースト時の移動スピードアップ ため威力増加[中] *要限界突破(L120)ため攻撃の威力を上げる 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ため威力増加[小] *要限界突破(L110)ため攻撃の威力を上げる ため時間減少[中] *要限界突破(L120)ため時間を減少する 神姫固有武器補基本補正 ※レアリティが上がる毎に回復・補助は-10%、それ以外の得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +60% 回復補助 +30% 片手打撃武器・片手ライトガン・防具用武器 苦手武器 -20% 下持ちヘビーガン 神姫考察 攻撃力 必ず攻撃力アップを覚えるがそれでも全体の中では低い方。 しかも得意武器が防具用武器以外どれも火力に乏しいときている。そもそも得意武器の少なさが大問題。 回復・補助武器も補正が高いとはいえ、レイドならまだしも対人では産廃中の産廃ときた…。 よって総合的に見てもかなり火力は低い部類に入る。この際開き直って専用パッシブスキルを利用した相討ち覚悟の立ち回りで戦場を引っ掻き回していくという戦法も。 防御力 通常型が防御力と体力を上げてくれるが、それ込みでも全体の中では脆い方。 当たらない立ち回りをしたいところだが、肝心のスピードはというと…。 逆に個体値などで防御面が高くなる場合、今度は専用スキルを活かしにくくなるというジレンマを抱えている。 機動力 元から高いBST値に専用スキルの上方で全神姫中最高のブースト量を得たため、多少無茶しても圧倒的BST値でカバーしきれる。 しかしダッシュスピードの方は全神姫中最底辺なので、高機動神姫相手に無理はできない。 BST値を伸ばして特化させるか、ATK値やDFE値などに回してバランスを取るか。 総評 BST値においては本作登場の神姫の中でも他の追随を許さない最高レベル。特徴的な専用スキルで他の神姫と差別化していきたい。 片手打撃武器の存在は忘れて良い。賑やかしのマイクスタンドは回復・補助で足りている。 専用スキルは確実発動。被撃破時の交代にかかる時間を約1/3に軽減。あくまで彼女から次の神姫への交代時間を短縮するだけで、全ての神姫間の交代時間が短縮されるわけではない。更に追加される「BST値20%アップ」はステータス画面では確認できず、バトル時限定で反映される。 専用スキルの恩恵は高レアリティほど大きいが、高レアリティほど撃破前提の戦術は中々組み込みにくい。編成のレアリティや順番はよく考えよう。 現状「シュメッターリング三人RRR編成による撃破即攻撃系アクティブスキル発動で失ったジェムを回収する」のルーチンが単純明快かつ強い戦法か。 実質爆弾戦法だが、強力なアクティブスキルを高回転で回せるのはこの神姫にしかできない戦法なのと、膨大なBST値で相手のミスを狙いやすいのとでシステムとステータスがマッチしている。 ただいくら撃破されること前提とはいえ、回数を重ねるほど当然リカバリーしないといけないジェムの量も増えるのをお忘れなく。ご利用は大切に。 また、アクティブスキルに大きく依存しているため、一回の発動で回収しきれなかったりそもそも発動すらできないとなるとかなり状況が悪くなる。バフ・デバフ系スキルなら交代後即発動するか、直接攻撃系スキルならLPが半分になる前に確実に当てることを心掛けよう。 解放パターンはどれもバランス寄りの防御型。アイドルたるものステージ上で倒れるわけにはいかないのだ。 仮に倒れた(被撃破)としても、専用スキルで直ぐに場を持ち直しやすいと考えれば、転んでもタダでは起きない彼女らしいスキル構成だと言えよう。 + 一方レイドボスバトルにおいて、その特性は一変する… レイドボスバトルのオンラインモードは、交代時間が通常のジェムバトルよりも約五倍程度と長めに設定されている。 これを専用スキルで大幅に短縮できる上、死神の鎌が苦手武器ではなく、更に回復・補助武器は得意と、彼女のレイド適性は実はすさまじく高い。 クリアが難しいと思っているマスターは是非彼女をプロデュースしてみよう。 これまでのレイドボスバトルにおける攻略手段を、以下に列記する。 + (シーズン1で開催されたレイドについては、こちらを参照) 第一/第二回においては、白兵攻撃ならば通常武器なら出が早く補正も入るロークがお勧めだった。イベントアイテムまで選択肢に入れるなら、アクティブスキルが強力な近接15th武器や死神の鎌、金ヴァル剣などを使って相討ち上等のごり押し戦法に走る(この場合、上記のRRR編成が望ましい)か、補正の入る回復・補助武器で他プレイヤーの回復役に徹し続けるのが最適だったようだ。 対バグに有効とされる15thイベント装備の片手ライトガンは得意武器で火力も充分なものの、悉くリロードが遅過ぎるため手数不足に陥りがちであった。 アクティブスキルについては「死出の旅(死神の鎌)」が有効。もし死神の鎌を持っていないなら「状態異常スタン」または「チャーミークリアボイス」がオススメ。闇神姫や青ツガル相手ならよく刺さった。 オメガが出てきた時は…まあ雑魚たちの足止め程度にはなるので、やっぱり有効ではあったか。 第三回においては、「状態異常スタン(またはチャーミークリアボイス)」がボスにガードされて刺さりにくい等、必ずしも上記の通りとはいかなくなったが、その一方で超特効武器のパウダースプレイヤー(片手ライトガン)とハンマーシード(片手打撃武器)、そして環境武器のバリスティックブレイズ[RW]までもがすべて彼女の得意武器にあたるため、実は対バグの頃より全体的に立ち回りやすくなっていた。 アクティブスキルは相変わらず「死出の旅(死神の鎌)」安定。なければ「攻撃スピードダウン」や「防御力ダウン」が有効だった。 また、前述した「状態異常スタン(またはチャーミークリアボイス)」も、基本的に俊足なレイドボスに対して足の遅めなこの神姫で追い着く、あるいは雑魚の足止めを図るために使う分には比較的有効だった。 第四回においての基本的な立ち回りは、第三回の時と実質大差はなかった。 前回猛威を振るったバリスティックブレイズ[RW]こそ下方を喰らったものの、雑魚エラー相手には依然として充分な威力だし、それでもボス対策に不安を感じるのであればその他の[RW]武装に持ち替えておくと良かった。 あとはパウダースプレイヤーをフレグランスキラーに、ハンマーシードをアレルギーペタルに持ち替える必要があったくらい。ステクロ装備は対エラー威力こそ絶大なものの、15thイベント装備と同様リロード性能が壊滅的なので、この神姫であえて使う必然性は少ない。 ただしアクティブスキルについては、死神の鎌や「全員攻撃スピードダウン」を反射してくるナイトミラージュへの対策として使い分けを図る必要はある。その場合は「攻撃スピードアップ」や「状態異常スタン(またはチャーミークリアボイス)」が有効だった。 第五回においては残念ながら近接武装で特効が取れる得意武器がなく、得意を切るか特効を切るか選ばざるを得なかった。得意武器ならローク辺りが隙が少なく火力もまずまず出た。 特効武器ならサメバルーン(ピンク)が得意武器かつスキルゲージが溜まりやすいので最適解に近いが、そもそも「サマーミラージュからのドロップ限定」という最大の問題があった……。 遠距離武器はうまい棒 コーンポタージュ味が小回りが効いて扱いやすい。R限定だが12円(税込)で実物を買えば即用意出来る点も評価出来る。 今回はオンラインレイド初級の通常枠がナイトミラージュになっている為、スキルをデバフに固めないよう前回以上に注意が必要だった。尚、上級ならドロシーかサマーミラージュの2択なので問題ない。 第六回(復刻レイド)においても、やはり近接武装及び遠距離武装でこの神姫が特効を取れる得意武器が過去のイベントやレイドでの入手武器ばかりになっており、元々の火力のなさと相俟って“特効+得意で火力を出す事”自体がより難しくなってしまった。 青ツガルや黒花種、ミラージュ達相手ならば良いとしても、「状態異常スタン」が通じないオメガが相手だと、火力が低いこの神姫は殊更不利になりやすい。 ただ、この点はゴールド武装や15thストラーフ・ジュビジーB・ジルダリアBといった武装の[RW]武器を織り込んで火力を補うという対策も、一応なくはない(結局これらも殆どが過去イベント・レイド入手武装なのだが、同時期に復刻された15thストラーフ武装ならば、入手性の面でより確実だろう)。 もし幸運にもサマーミラージュ武装(サメバルーン及びバスターシュリンジの各色)を持っているなら、スキルゲージ上昇に恩恵のあるPink ver.が“特効+得意”を活かす上で特にオススメ。 ちなみに死神の鎌やバリスティックブレイズ[RW]は今回防御力までもが下方されたが、もともと防御が薄くボス相手にはあっという間に落とされがちなこの神姫の場合は然程問題にならないので、手持ちにあれば積極的に使っていって良い。 これらの装備で固めた上で、態と落とされてスキルゲージを一杯にする事を前提としたR-R-R編成による「全員攻撃スピードダウン」または「死出の旅」連発戦術が、ナイトミラージュのいない今回はかなり有効となる。 ちなみに告知画面には堂々と出演しているものの、特に何がしかフィーチャーされているという訳でもないという、嘗ての不遇ぶりがここに来て再燃してしまった感すらある。 バトロンに登場したイリーガルシュメの出番だったら良かったのに。 続く第七回においても第五~六回での問題は根強く残っているが、逆に言えば必要な事はまったく同じ。更に言えば、オメガやナイトミラージュのような相手がいない事は幸いとなる。 ただ、耐スタン能力が高めなストラ相手にスタンを狙うのであれば、スタン補正つき武器で殴るよりもガードの隙を突いてスキルで攻めるのが良いだろう。 もっとも、ミラージュ相手の時含めて「全員攻撃スピードダウン」または「(死神の鎌による)死出の旅」連打戦術の方が、相変わらず有効な訳なのだが……。 第八回ではバニーミラージュが「全員攻撃スピードダウン」を、更に続く第九回ではフレッシュミラージュが「死出の旅路」をも反射してくるという全力のメタ張り対策を取って来たため、実質的には「攻撃スピードアップ」以外に選択の余地がほぼなくなってしまった。 それも、あちらのデバフから後出ししたところで此方の方が有効時間が短くなっている上、元々攻撃力のないこの神姫では火力を恃んだ力押しをしたところでたかが知れているのも苦しいところ。 更に、シーズン2に入って以降公式からレイド特効装備を公開する事がなくなったため、この神姫の決して多くはない得意武器ジャンルの範囲内でアセンを模索していかざるを得なかったのだが、第九回でのみ猛威を振るったティファレトロッドが比較的扱いやすい部類だったのは、せめてもの救いか。 実質第二回の復刻にあたる第十回~第十一回では、基本的には当時とほぼ同じ戦術に立ち返るのが妥当だろう。 死出の旅路をはじめ、状態異常スタン系(ただしオメガに通じないのは相変わらず)や全員攻撃スピードダウンといったスキルを反射してくるボスがいないため「搦め手のスキル主体で戦い抜く」という選択肢がやっと戻ってきた。 もちろん、それは「プレイヤー側にボスアタッカーがいてくれる場合」に限定されるため、共闘相手にそれが期待できなかったりソロ状況を強いられたりした場合等にも備えて、相応の武装で対応していきたい。 時を同じくして復刻された15th記念装備の他、歴代ボス装備やうまい棒/ちくわ、(若干リロードが重たくなるが)ステクロ武装で立ち回るのが比較的有効。まあほぼ全部イベントまたは期間限定入手なのが辛い所なのだが… 特にシーズン2で実装された一部リペイント神姫達の武装については、恒常ドロップとなった分入手しやすくなったのがとてもありがたいところ。 なお、この神姫元々の攻撃力の低さから、対レイド特効装備で固めなければなかなか有効なダメージが出せないという点にも注意が必要。 可能な限り、個体値を厳選(攻単1Vまたは5V、出来れば低レアリティ6V)して臨みたい。 ちなみに全神姫にチャーミークリアボイス用ボイスが収録されていたりする。 腕装備と足装備をこの神姫用の武器付き武装にするだけで出来るので、もし時間があれば好きな神姫のチャーミークリアボイスを聴いてみよう。 神姫攻略法 圧倒的BST値による追撃は、一部の高機動神姫(フブキやミズキ等)以外では逃げ切るのはほぼ不可能。諦めて常に相手し続けるしかない。もちろん追いかけるのも不可能に近い。 一番気をつけたい流れはアクティブスキルによる形成逆転→がん逃げ戦法。とにかく絶対にアクティブスキルを受けないようにしたい。 アクティブスキルさえ凌げば一気に脅威は少なくなるが、だからといって即攻撃、まして撃破は非推奨。再度アクティブスキルを凌がなければならず、相手の思う壷。ただ無視もできないので、適度にダメージを与えて相手の撃破タイミングをコントロールしたい。 ただここまでは実質タイマンでの立ち回りで、実際のバトルでは自分とシュメッターリング以外にも敵がいる。 相手がシュメッターリングの対策を取れているなら良いがそんなことはまずないので、当然自分の思った試合展開にならないのは覚悟しよう。 理論上ほとんどのアイドル(神姫)はシュメッターリングと同じステージ(土俵)なので、どちらがセンターでどちらがバックダンサーか分からせてやろう。 お迎え方 稼動開始(2020/12/24~)から神姫ショップに登場 アップデート履歴 日時:2021.10.06 内容:回復・補助の補正率を30%→60%に増加。 日時:2021.6.28 内容:神姫個別調整で遠距離攻撃のダメージを軽減できるように。 次の神姫への交代時間をさらに短縮(1/2→1/3)、バトル出撃中ブーストゲージの最大値が1.2倍になる効果を追加。 日時:2021.4.27 内容:「片手打撃武器」の補正率調整 日時:2021 内容:「格闘打撃武器・両手打撃武器」の補正率調整 格闘打撃武器・両手打撃武器の苦手補正が消えたため修正、タイミングは不明 (↑2021.07ステータスの武器補正表示がされるようになった時には修正済みである事を確認) コメント レイドで回復+[RW]試してみたけど意外と楽しい。補正のお陰で[RW]の威力は高いし、何なら緊急時には回復の方でも一応殴れる程度には火力あるし。ただタゲ変が忙しいのが難点だが… -- 名無しさん (2021-12-18 22 44 25) レベルごとのタッチの反応を更新したのでテンプレを置いていきます -- 名無しさん (2022-07-31 15 22 47) 名前 コメント
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ウサギのナミダ ACT 0-5 ■ 神姫も、夢を見る。 スリープモードで、クレイドルで充電とデータのバックアップを行っているとき。 それは神姫にとって「睡眠」にあたる。 マスターによれば、睡眠中に脳が蓄積された情報を整理し、その時に漏れでた情報を認識すると、夢になる、のだそうだ。 だから、データのバックアップ中に、わたしたちが認識するものも、やはり夢なのだ。 わたしは、夢を見る。 いつも同じ夢、恐い夢。 わたしの前には男の人。 顔は影になっていてよくわからないけれど、目だけが異様な輝きを放って、笑っている。 彼は、わたしに手を伸ばす。 わたしは身をすくめる。これから、自分の身に起こる出来事を予想しながらも、あらがうことはできない。 「や……っ」 男の人がわたしを掴み、顔の高さまで持ち上げる。 大きな顔が、わたしの視界いっぱいに広がる。 わたしは、恐くて、身体を震わせる。 でも、ここは彼の手のひらの上だ。 逃げ場なんてない。 彼は、わたしを両手でつまみ上げながら、さらに顔を近づけてきた。 息がかかる。臭い。 顔の下の方にかかった影が、横に一筋裂けた。 裂け目が広がると、ぬらり、とした軟体動物のようなものが出てくる。 舌だった。 「あっ……や、あ……っ」 男の人の舌は、わたしの身体をなぞる。 脚の先から、ふともも、ヒップからウェストのライン。 股間と胸は、特に念入りに舐められる。 太い舌先は巧みに動き、わたしの弱い部分を的確に責め立てる。 いやなのに。いやなのに。 いやらしい舌の動きを、わたしの身体は性的快感と認識する。 いやだという気持ちと、なぶられる快感が、相乗してさらに気持ちを高めていく。 「あ、あ、はあぁ……あぁ……」 頭がぼうっとする。 何も考えられなくなってくる。 わたしの身体は男の人の唾液にまみれ、いやな臭いを放っている。 その臭いすらも快感を助長する芳香に変わる。 わたしは快感に身を委ね、なすがままにされていた。 ふわふわとたゆたうような感覚に、わたしはどっぷりと浸っている。 と、突然。 ぼきり、という鈍い音。 「ーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 ふわふわとした感覚は、爆発した激痛に吹き飛ばされる。 声が出ない。声にならない悲鳴。 さらにまた。 わたしの身体から鈍い音が響く。 わたしは身を焼くような激痛の出所を、左腕と右脚であることを、かろうじて突き止める。 だからといって、何もできない。 わたしはただ、大きく目を見開いて、堪えきれない痛みにぱくぱくとあえぎながら、涙を流すだけだ。 さらに、残りの四肢も折られた。 わたしは身動きもとれず、ただ激痛に悲鳴を上げる。 目の前の人を見る。 その男の人の顔は、相変わらず影になっていたが、その二つの目と裂け目のような口だけがはっきりと見える。 笑っている。喜んでいる。 わたしがのたうち回る姿を見て、嬉しがっている。 彼の方から、何かが飛んできた。 べちゃり、と粘液のようなものがわたしに降りかかる。 白く、べたべたの粘液は、何かすえた臭いがする。 いやだと思っても、いまのわたしには、この粘液を払うことさえできない。 男の人の光る両目が、さらにゆがんだ。 わたしを掴み上げると、わたしの背に指を当てたまま、親指でわたしの胸を押す。 わたしは恐怖した。 身体を折る気だ。 「や、めて……ください……やめて……」 やめて。死んじゃう。 わたしがどんなに懇願しても、そんな様子すら楽しんでいる。 わたしの背が限界を超えて曲がっていく。 折れてしまう。 死んでしまう。 たすけて、だれか、たすけて……だれか……。 ごきん。 「あああぁぁっ!!」 わたしは悲鳴を上げて、飛び起きた。 暗い。 あたりは静かだった。 時計の音が妙に大きく聞こえる。 それからわたしの荒い息。 「はあ、はあ、はあ……」 わたしは自分の身体を確認する。 どこも、折れてなどいない。 感じていたはずの激痛も今はない。 手は、白い布……お布団代わりの、マスターのハンカチを握りしめている。 「夢……」 わたしはやっと安堵して、深く息をついた。 怖い夢。どうしても見てしまう、かつての現実。 まだあの店を出て何日も経っていない。 過去の記録……思い出にしてしまうには、あまりにも最近の出来事すぎる。 白い布を握りしめる手元に、黒い染みが広がった。 瞳から涙がこぼれ落ちる。 夢は過ぎ去ったというのに、怖くてたまらない。 怖くて、怖くて、それでもわたしには為す術がなくて。 ただ一人、すすり泣くことしかできない。 突然。 あたりが明るくなった。 真っ暗だった部屋の明かりが灯ったのだ。 スイッチのところに立っている人影は、マスター。 マスターは、寝間着姿で、髪は乱れ、目は半眼のまま、こちらを向いている。 とてつもなく不機嫌そうな表情。 起こしてしまった。 わたしが、悪夢に悲鳴を上げたせいで、マスターのお休みを邪魔してしまったのだ! わたしは、マスターに睨まれて、目を見開いたまま硬直してしまった。 まるで蛇に睨まれた蛙だ。 わたしは身動きをすることもできず、絶望的な気持ちでマスターを見つめる。 これから、どんなひどい仕打ちが待っているだろう。 マスターは大股に歩いて近寄ってきた。 思わず、身を縮めてしまう。 ……ところが、マスターはPCに近寄ると、立ち上がっていたアプリケーションを次々に閉じて、PC本体も電源を落とした。 縮こまっているわたしを、もう一度見る。 非常に不機嫌そうな表情は変わらない。 わたしはクレイドルの上でさらに縮こまる。 すると、マスターはクレイドルごと、ベッドのサイドボードに持ってきた。 ケーブルをPCからコンセント供給用アダプタにつなぎ直す。 クレイドルの充電ランプが灯った。 データのバックアップはできないが、充電はできる。 わたしが何もできずに硬直していると、マスターはさっさとベッドにあがり、布団をかぶった。 首だけがこちらを向いて、また睨まれる。 「明日、延長ケーブルを買ってくる。寝る」 マスターはそれだけ言うと、枕に頭を沈ませ、そしていくらもしないうちに規則正しい寝息を立てはじめた。 わたしはあっけに取られていた。 これはどういうことなんだろう。 わたしは、つまり……マスターのそばで眠ることを許された、ということなんだろうか。 なぜ? お休みのマスターを邪魔したのに? あんなに不機嫌そうな顔をしていたのに? ……期待なんて、してはだめだ。 わたしは本来、この人の武装神姫になんてなる資格がないのだ、初めから。 でも、ベッドのサイドボードから見下ろすマスターの顔は、見たこともない安らかな表情で。 いつも冷静沈着、無表情で少し冷たい印象の男性ではなく、無邪気な少年のように見えた。 そんなマスターの顔を見つめていると、不思議と穏やかな気持ちになっていく。 おかげで、さっきまでの怖かった気持ちは、だいぶ薄らいでいた。 わたしはクレイドルの上で丸くなると、布団代わりのハンカチを引き寄せた。 □ 朝、目が覚めると、PCの電源が落ちていた。 クレイドルも、その上にいたはずの俺の神姫もない。 焦って、辺りを見回すと、俺の枕元にクレイドルは移動しており、その上でティアは眠っていた。 ほっとする。一瞬焦ってしまった。 そういえば、夜中にティアの叫び声を聞いて、一度起きたのだったか。 何が原因かはよくわからなかったが、ともかく心配だったので、枕元に持ってきた……のだと思う。 半分寝ぼけていたらしく、記憶は曖昧だ。 でも、なにやら心配だったのは、やはりまた、ティアが泣いていたからだ。 いま俺にティアの涙を止めてやることができなくても、せめてそばにいてやることぐらいはできる、と思う。 ……ただの自己満足だったとしても。 クレイドルの上で丸くなって眠るティアを覗くと、安らかな寝顔が愛らしかった。 小さく安堵のため息をつく。 まもなくして、ティアの瞼が瞬いた。 「あ……」 俺を見て、眠気を一気に吹き飛ばすように起き上がり、あわてて居住まいを正す。 「お、おはようございますっ……」 そんなにあわてなくてもいいのに。 しかし俺は素っ気なく、 「おはよう」 と返事した。 俺は、ティアの前ではできるだけ無表情を通すと、決めていた。 ティアが俺のことを信じ、自分から俺の神姫と認めてくれる時まで。 まずは、俺が無害な人間であることを信じてもらわなくてはならない。 そう思っていた。 ■ その日から、わたしの、武装神姫としての訓練が始まった。 主にトレーニングマシンを使ったバーチャルトレーニングだ。 まず、一通りの武器を使ってみるところから始まった。 片手で持てる銃火器を中心に、両手持ちでも軽量な銃、ナイフなどの刀剣類や、トンファーといった近接武器まで。 使い方は、素体交換時にプリセットされた戦闘プログラムと基礎データでだいたい分かっている。 出現する的を撃ち落としたり、ダミーの敵を攻撃する、といった単純な内容を黙々とこなす。 マスターはPCでわたしのデータを取り、どの武器がわたしと相性がいいのか検証する、ということだった。 マスターは課題を出すだけ出して、大学に行く。 わたしは、マスター不在の間、ずっとマスターの課題を消化していく。 大学から帰宅したマスターは、毎日作業スペースに向かい、何かを作っているようだった。 こんな日が数日続いた。 マスターが不在の昼間、私は一人、黙々とトレーニングに励む。 その間にいろいろなことを考えた。 だけど、結局、何も分からないままだった。 一つだけ分かっていることは、進むべき道はマスターだけが知っているということだった。 だからわたしは、マスターに言われるがまま、ついていくしかない。 マスターはわたしを使って夢を叶えたい、と言った。 だから、たとえ嫌がられようとも、マスターの夢を実現していると示し続けることが、わたしの存在意義なのだ。 そう結論したわたしは、またトレーニングを消化していく。 ある夜。 わたしはまた夢を見る。 薄気味悪い男の人の影。瞳だけが異様な輝きを放っている。 黒い手が、わたしに手を伸ばしてくる。 これから起こる仕打ちを想像して、わたしは身を縮める。 ……ところが、その手がわたしを掴む寸前、別の手が伸びてきて、わたしが乗っているクレイドルを掴んだ。 そのままするり、と視線が移動する。 わたしはクレイドルごと、別の手によって運ばれていく。 薄暗く寒々とした部屋は、柔らかな光に包まれた部屋に変わっていた。 その手は、クレイドルを自分の枕元に運んできた。 手の主はマスター。 マスターは非常に不機嫌そうな顔をしており、口をへの字に曲げている。 マスターは、わたしを睨みつけるように見る。 わたしが視線の鋭さに、びくり、と身を震わせると、 「明日は公園に行くぞ」 と言って、そのまま枕に頭を沈めた。 まもなく、規則正しい寝息が聞こえてきた。 なんだかちぐはぐな成り行きに、わたしは首を傾げた。 そして、不意に目を覚ます。 暗い部屋。 PCのディスプレイだけが、部屋を青白く照らしていた。 まだ真夜中だ。 あたりは静まり返っている。 規則正しい寝息が聞こえてくる。 そちらに視線を向けると、マスターの寝顔があった。 日頃の緊張を解いたような、少年のような寝顔。 夢の中で見たマスターの寝顔と同じ。 マスターのその顔を見るたびに、わたしは優しい気持ちになれる。 マスターの役に立ちたいと思う。まだなんの役にも立っていないけれど。 マスターの気持ちに応えることができるようになれば、いつものような無表情ではなく、この寝顔のように優しい顔を向けてくれるだろうか。 そうだったらいい、と思いながら、わたしはまた眠りにつく。 マスターになった、この人の存在が、わたしの中で意外にも大きくなっていることを感じていた。 次へ> トップページに戻る
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武装神姫のリン 第21話「想像…そして行動」 …ここは? 私は何も無い…どこなのか 分からない場所に一人。 ふと視線を自分の身体に移すと…全裸、一糸まとわぬ姿に驚きつつも私は懸命にそこを抜け出そうと歩き出そうとします。 「リン」 突然マスターの声が聞こえました、私は振り向こうと…後ろからマスターに抱きしめられました。 そこで私の中に疑問が生まれます。 私は武装神姫。人間とは身体の大きさが根本的に違うのでこの様な事象は起こりえません。 なのに、ここでは私とマスターが同じ大きさの身体を持っている。でも今はそんなことを気にしている暇はありません。 私は状況を聞こうとするのですが、その前に唇を奪われていました。 マスターとの初めての大人のキス。唇の触れあいだけでなく舌をからめてきて、吸われました。 思わず私も自ら舌を絡からめて、ねぶり、吸ってマスターの舌を味わいます。マスターとのキスに必死で他のことなど考えられません。 やっと名残惜しそうに2人の唇が離れます、その間には銀色の糸が… 「マスター」 「リン、愛しているよ。」 そうしてマスターは私の首筋にキスを、そしてその舌で私の素肌をすこしづつ愛撫していきます。 首筋から肩へ、肩から腕へ。マスターの舌が移動するたびに今まで感じたことの無いような快感が私の中を駆けめぐります。 「う…ん、ぁん。マスタ、そこはぁ。」 「ここか?」 とても気持ちいい場所をさらにねっとりとなめられ、私の頭中はマスターでいっぱいになっていきます。 ついにマスターの舌が私の乳房に、そして先端にたどり着きました。 ゆっくりと全体をなめられてちょっと先端を唇で包まれたと思えば、上下左右に弱く引っ張られます。 「マス…たあぁん、ダメですぅ」 「まだまだリンの全部どころか半分も味わってないんだ。先は長いぞ?」 「で、でも、刺激が…つよすぎてぇ!!」 「気持ちいいなら、イっていいんだぞ?我慢は身体に悪い」 「そんな、マスターの目の前で…」 「いつもそうだろ?」 その言葉をきいた瞬間。私の膣から愛液が関を切った様に流れ出て股間を瞬く間に濡らしていきます、そしてそれは私の太股を伝って落ちていきました。 そしてマスターの脚に付きます。そこでやっと、ちゅぽんという音を立ててマスターの唇が私に乳首から離れました。 「一気に出たな、それで良いんだ。俺で感じてくれてるって一番よく分かる。」 「でも、ちょっとは加減というものを」 「しかたないだろ?俺はリンが大好きなんだから。」 「でも、でも!優しくしてくれないのは、嫌です。」 「…すまない。これからは優しくするから、な?」 「約束ですよ、破ったらアレをこうして、ああしてでも止めますからね」 「…分かった。」 さすがに私のジェスチャーに、マスターの血の気が少々引いみたいですが問題は無いでしょう。 ちょうどいいインターバルになると思ったのですが、マスターはすぐに私に覆い被さってきました。 「え?マスター?」 「優しくするけど、いつもとは違うことをするからな。」 「ぁん」 そう言って、マスターはあろうことか私の…秘部から流れる愛液を指ですくい、その指でおしりの穴の周りをなでるように動かしてきたのです。 「そんな、おしりだなんて…」 「リンは嫌?こういうの」 「嫌いとかそういうわけではありませんが、でもやっぱり好んでするというわけでも…ぇ?」 「やっと分かったか? そんなこと言ってても身体はちゃんと反応してるんだよな~」 見ると私の股間はさらに大量の愛液が溢れ、おしりの方にも流れています、それが潤滑剤の役割を果たして、ついにマスターの指が私のおしりの穴に…ずっぷりと根本まで埋まってしまいました。 「そんな、全部入ってる」 「まさかこんなにすんなり行くとはなぁあ、そっか神姫は排泄しないから内部まで内側がつるつるなんだ」 「ま、マスタァー!! そんなにいじらないで…」 たしかにするするとマスターの指が動くのを見て、私自身ももしかしたらマスターのも大丈夫かも…と思ってしまいました。 そこでにやけるマスターの顔。 「? リンはおしりに欲しいのか?」 「そ、そんなこと無いデスよ」 私は必死に表情を悟られまいと顔を背けますがマスターにはお見通しだったらしいです。 「じゃあまずはリンにおしりで…いや、口でしてもらっていい?」 「口…ですか」 私もそろそろ受けるばかりは嫌だと思っていたと所だったので良い機会だと思いました。 「じゃあ、失礼します」 そうして私はいつもより小さな(ちょっと失礼?)マスターのモノを口に含み…いつもは舐めることしか出来なかったために、先端がのどの奥まで到達してしまい、むせてしまいました。 なんとかマスターのモノを口から出して、それでもせきが止まりません。 「リン!大丈夫か?」 「げふぉ、ごほ、マスターすみません。慣れなくて…」 「いや、俺が悪いんだ。すまない。」 「ええいえ、やらせてください」 マスターの返答を待たずにわたしはもう一度マスターのモノを口にくわえ、茉莉がしていたのを思い出してそれを見よう見まねで実践してみました。先端を舌で円を描くように舐め、吸っていきます。 「リン、それすごすぎっ」 マスターの反応は良好の様でした、さらにいちど口から出したモノを根本から先端まで舐め上げていく同時にマスターのふくろを右手で優しく揉んでいきます。 そしてもう一度先端から根本に戻り、揉んでいたふくろをでいるだけ口に含んで、優しく甘噛みしたり舐めたり。そうしているうちに限界に近づいたらしいので、ふくろを攻めるのをやめ、再びモノを口に含んで先ほどと同じく吸ってあげました。 ついにマスターは絶頂を迎え、私の口内にはマスターの精液が大量に流し込まれます。 やっぱり精液の味はおいしいと言えるモノではありませんが、不思議と幸せを感じるのです…私って変なのでしょうか? 「う~さっきはかなりやられたってかんじだった。リン、上手いな?」 「いえ、マスターのことを思って一生懸命にさせていただいただけですし。」 「でも精液を全部飲み干すなんてな…このエロラーフが」 「…なんですか!その"エロラーフ"って」 「あ~某サイトとかでエロぃ格好(露出の度合いが基準というわけではない)したストラーフの写真掲載されてて、そういうストラーフのことをそう呼ぶらしい。で当然ながらリンもそこでエロラーフ認定を受けてるんだ」 「は?そんなぁ」 「まあリンは衣装とかじゃなくて別の方向でも十分エロぃしなw」 「もう! この後させてあげませんよ?」 「あ~すまんすまん。そろそろ挿れていい?」 「…あの、分かってて言ってますよね?」 「一回でいいからリンのおねだりを聞いてみたいんだが…隠語満載の」 「……言わないとだめですか?」 「言って欲しいな。」 もう私の顔が真っ赤になってるのは分かってるんだと思います。 でもマスターは優しい人だから…その優しさがにじみ出るような笑顔には勝てないんです… 「マスター…」 「うん?」 「わ、私のおま○こをマスターのおち○ちんでぐちゃぐちゃにしてください…」 「……」 マスターの顔がうつむき、表情が見えなくなりました。 「マス…きゃぁあ」 マスターは急に私の身体を抱き上げ、犬のようなポーズにさせて、私の膣へそそり立ったモノを挿入してきました…その大きさと感触(?)に私は嬌声を上げずにはいられません。 「ふぁあ、あぁん、そんなに突いちゃ…だめれすぅ」 「まさかあれだけ過激に言ってくれるとは思わなくて、それで我慢できなくなった」 「こんなにぃ…激しくされたらぁ!」 その間もマスターのモノは私の腔内を出たり入ったり。しかもバック体制なので感じる部分が違う…おしりに近い側の壁がカリの上部につっかかる、そこが気持ちよくて… 「マスタ…もっと突いてぇ!」 「っ、もっと?」 「もっと、ください。」 「こうか?」 「!!そうですぅ」 ピストン運動は次第にモノを上下左右に揺さぶる様にして突いて来るようになり、それも私には未経験の刺激であったのでマスターが上り詰めるまでの間に2回も達してしまっていたのです。 そして3度目の絶頂が来るかと思われた瞬間。私はこう叫んでいたのです。 「私はマスターを愛しています、だからマスターのためになら、おしりだって捧げますぅ!だから。次はおしりにぃ!」 「ああ、とりあえず出すっ」 「マスたぁ…おもいっきり、出して…くださぃ」 私の膣内に勢いよく精液が溢れ、結合部から流れ出ます。 今までの2回とは比べものにならない気持ちよさでした。その快感は久しぶりだった私の意識をそのまま闇の中へ誘って行きました… …ここは? 私は何も無い…何処なのか分からない場所…などではなく。 いつものベッドにさっきの犬のような体制が崩れたポーズでうなだれるように横たわっています。 右手には…オーダーメイドでマスターのモノを1/10サイズで形、感触その他諸々を再現したディルドー。 そして左手は…なぜかティアの手を握っているのです。 そしてティアの顔はと言うと私の胸の前、そしてティアの唇からはみ出ているよだれ…全てを理解してしまいました… 私ったら、マスターのモノを同じ形のモノを手に入れてティアと試していたはずなのに。 気持ちよくてイってしまって、その感触とかを知らず知らずの間にAI内部での妄想と同調させて夢に見ていたのです。 もちろん感触などのデータは本物の訳で、寝る前に履いていたショーツをべたべたに濡らしていました。 「これはマスターを思う気持ちからすれば必然なのでしょうか…?」 現実に帰ってみれば、マスターと私の身体の大きさが同じになるなんてあり得ないと解っていたのに、それでも想像してしまわずにはいられなかった自分が情けなく、またくやしくなります。 そして無意識かもしれませんが、そんなことがあり得ないと解っていてもそれを望んでいることに、自分のAIが異常をきたしているのではないか…そんな不安を抱えずには居られないのです。 そういえば今夜はマスターは会社に泊まり込みの仕事だと聞きました。 だから今すぐにあの笑顔を見て安心することさえも出来ません。 とたんに不安が私を支配しようとします。 でも、こんなことに負けるわけには行きません。 だって私はリン。いつだって逆境に意志の力で打ち勝ってきた神姫なのだから。 私はシャワーを浴び、お出かけ用の服(シックな色合いのものを選んだつもりです)に着替え、 静まりかえった部屋のPCを起動させてデータを同期。マスターの会社への道筋を記憶しました。 幸いにも、現在の交通機関はコンピューターによる自動制御で24時間の利用が可能になっており。神姫用のサービスも無いわけでは有りません。 あとは、マスターの下へ。最初に目指すのは最寄り駅の「星ヶ丘駅」そこからは交通機関を利用すればすぐにマスターのつとめる会社にたどり着けます。 ただ、駅までは己の力で行かなくてはなりませんが距離にして1Km弱。たどり着けないわけはありません。 私は夏が終わりすこし涼しくなった夜空を見上げ、背に背負ったリアウィングAAU7とエクステンドブースターに全てを預け、夜空に飛び立ったのです。 燐の22 「喪失」